2013 Fiscal Year Research-status Report
1本の歯を用いた、年齢推定、環境推測及びDNA型判定
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24590849
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
斉藤 久子 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10292674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永澤 明佳 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任助教 (30536735)
矢島 大介 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 特任講師 (60451754)
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Keywords | 国際情報交換 / スウェーデン / 歯 / ラセミ化反応 / 放射性炭素測定 / DNA型検査 |
Research Abstract |
本年度も昨年度に引き続き、司法解剖死体10体から下顎右側第一小臼歯を採取した。まずは、これらの歯のエナメル質を除去し、放射性炭素測定を業者に依頼した。その残りの歯に関しては約1mm厚の縦断切片を作成した。そのうち、歯の一番中心部の縦断切片2枚から象牙質を採取し、市販の固相カラムや蒸留専用のエバポレーターを用いて、アスパラギン酸を用いたラセミ化率を測定し、年齢推定を行った。その次に、残りの縦断切片数枚をDNA溶解液に56℃、数日間浸したあと、DNAを抽出した。これらのDNAを用いて、個人識別のキットであるIdentifiler及びY-filerを用いてDNA型を検出した。さらに、残りのDNAを用いてミトコンドリアDNAの解析を行った。 エナメル質を用いた、放射性炭素測定に関しては、同一の試料が業者によって異なる結果であり、再現性及び信頼性を持つ結果を得られなかった。 ラセミ化率に関しては、樹脂カラムから市販の固相カラムへ交換したが、改善はされなかった。したがって、今後は、さらにカラムの検討を行うとともに、検出器のGC/MSからHPLCへの変更を検討する。 本年度に行った、ミトコンドリアDNAの解析に関しては問題なく、昨年の結果と同様、DNA型検査に関しては良好な結果が得られた。 今後は、試料数を増加し、かつ、歯種も下顎第一小臼歯だけではなく、下顎犬歯、第二小臼歯、上顎犬歯、第一小臼歯、第二小臼歯も採取し、解析を行っていきたい。さらに、ラセミ化率と年齢との相関関係の向上を目指し、放射性炭素測定結果の再現性及び信頼性について再検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度の実験においてはいくつかの改善点があったが、やはりラセミ化率の測定結果が芳しくないことが実験の遅れている原因である。昨年度は、試料の乾燥において、濃縮遠心機を用いていたが、今年度から蒸留専用のエバポレーターを用いるようになったため、今までよりも短時間で蒸発するため、コンタミが少なく、再現性を持つ結果となった。しかし、ラセミ化率が過去の文献に比べると低いため、方法の改善を行っていく。さらに、放射性炭素測定に関しては業者の選定が重要である。DNA型検査に関しては、DNA型を検出するシーケンサーが、今までは1本キャピラリーであったが、最新の8本キャピラリーの機種の購入により、ミトコンドリアDNA解析のような塩基配列を決定するようなDNA型検査も短時間で行うことができるようになったので、さらにDNA型検査の種類を増やしていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
ラセミ化率の測定に関しては、今まで以上に、従来の方法の改善を行っていく必要があり、検出器のGC/MSからHPLCへの変更を検討する。 DNA型検査に関しては、従来のDNA抽出方法で問題ないため、今後はDNA型検査の種類を増やしていきたいと考えている。 放射性炭素測定に関しては、加速器質量分析装置(ANS)を保有している業者への依頼となるため、かなりの費用が必要となる。今後は、今まで依頼した2社だけではなく、別の業者選定、もしくは他の研究機関も検討したいと考えている。 今までは、比較的安価な費用で実験を行えたが、次年度は、研究費のほとんどを放射性炭素測定に費やし、検体の誕生年の推定を行えるようにする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
放射性炭素測定は、加速器質量分析装置(AMS)を有している業者への依頼となるため、1検体当たり6~8万円ほどかかる。また、試料の結果の再現性を考慮すると、同一試料を2社の業者に依頼することもあり、かなりの費用がかかる。 本年度も昨年度と同様、比較的安価で実験を行うことができるラセミ化率の測定を優先して行ったため、未使用額が生じた。 したがって、次年度は、ラセミ化率の測定及びDNA型検査と同時に、放射性炭素測定も業者へ依頼していきたいと考えている。 次年度は、ラセミ化率の測定及びDNA型検査と同時に、放射性炭素測定も行っていきたいと考えている。放射性炭素測定は、加速器質量分析装置(AMS)を有している業者への依頼となり、また、同一試料を2社の業者に依頼することもあり、かなりの費用がかかるが、ほとんどの研究費を放射性炭素測定に費やし、検体の誕生年の推定が行えるようにする。また、ラセミ化率の測定に関しては実験方法の確立と、DNA型検査に関しては検査の精度の向上を目指したいと考えている。
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