2014 Fiscal Year Annual Research Report
生体試料からの薬物抽出において最適な抽出条件を導く回収率予測式の構築
Project/Area Number |
24590850
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
坂 幹樹 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 技術専門職員 (30447388)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 薬毒物分析 / 定量的構造物性(活性)相関 / 予測モデル / 法医学 / 生体試料 / 液-液抽出 / 回収率 |
Outline of Annual Research Achievements |
法医学における薬毒物分析では、血液・尿・臓器など様々な試料を用い、かつ、腐敗現象などにより他の分野にはないマトリックスを形成する。定量分析の精度を上げるためには、マトリックス効果が少なく、回収率が高い抽出法を選択すべきである。我々は、本研究期間において、定量的構造物性相関(QSPR)の解析手法を用いて、“マトリックス効果予測モデル”、“回収率予測モデル”の構築を試みた。マトリックス効果予測モデルについては、論文(Saka et al. Anal Bioanal Chem. 2013; 405: 9879-9888)を発表することができた。回収率予測モデルについては論文投稿に至ってないが、本年度は薬物標準品約250種類の溶液調整、LC-MS/MSで定量するためのMRM条件を含めた様々な測定パラメータの設定をまず行った。その後、液-液抽出において、PH、有機溶媒を変化させ、それぞれの薬物の回収率データを採った。この実験結果を多変量解析するにあたって、目的変数は回収率であるが、説明変数は薬物の物性(descriptors)、有機溶媒の物性、pHを用いることになる。pHの変化によって薬物の物性が変わる(水への溶解度など)ことをモデルにどう反映させるのがベストか検討中である。回収率予測モデルができれば、実験する必要なく最適な抽出条件を選択できるため、実用的にも非常に意義のある研究である。今後、論文が採択されるまで本研究を継続し、さらに、有機溶媒を混合した場合における回収率も予測できるようなモデルになるまで発展させたいと考えている。
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