2013 Fiscal Year Research-status Report
肝臓低栄養・病態におけるオートファジーに関する研究
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24590851
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中嶋 信 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (70396696)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 謙一 東京大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (40166947)
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Keywords | Autophagy / LC3 / 飢餓 / 脂肪肝 |
Research Abstract |
Autophagy (自食) は、飢餓・stressで誘導され、二重膜で細胞質・小器官・蛋白質凝集塊を隔離しlysosomeと癒合し、分解を促し、生存を促す。従来、Microtubule-associated protein (MAP) light chain 3 (LC3)は蛍光蛋白標識の上、強制発現しなければ、組織学的検討ができないと考えられてきた。しかし、私達は、ヒト肝臓の通常の免疫組織化学法によって、全ての肝臓にLC3陽性顆粒を認め、その発現パターンが多様であること、脂肪化と(逆)相関していることを発見した。死後2日程度以内の試料では、LC3染色は全例可能であった。 LC3染色は、門脈域より、中心静脈域に強く、肝細胞内の脂肪滴と一致して顆粒状に染まった。脂肪滴形成に寄与するadlpophilinと蛍光二重染色すると、少なくとも小脂肪滴の一部では共存することから、autophagyが脂肪滴形成に寄与することが示唆された。しかし、脂肪肝が進行すると、LC3染色は低下していた。脂質過酸化の指標である4-hydroxynonenal (HNE)とLC3を連続切片で染色し比較すると、局在が一致するものが多いことから、LC3の寄与する脂肪滴形成に活性酸素種が寄与することが示唆された。ヒト症例で、栄養状態の指標であるBody Mass IndexとLC3染色性の間に相関は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね順調に進行している。 昨年、Kashima J, Shintani-Ishida K, Nakajima M, Yoshida K et al. Immunohistochemical study of the autophagy marker microtubule-associated protein 1 light chain 3 (LC3) in normal and steatotic human livers. Hepatol Res. 2013.現在までの成果を、報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
高脂肪食負荷は、動物に脂肪肝を誘導し、3,4-methylenedioxymethamphetamine (MDMA)中毒の剖検例に脂肪肝を認めることが多い。そこで、ラットに高脂肪食負荷、またはMDMA投与した後、肝臓を採取して、LC3免疫染色を実施しする。
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Research Products
(4 results)