2013 Fiscal Year Research-status Report
37ローカスを用いた高精度DNA鑑定法の構築とその実務への応用
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24590854
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
尾関 宗孝 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80549618)
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Keywords | DNA鑑定 / アレル頻度 / 法医学 |
Research Abstract |
昨年度までに終えた246人分の血液試料からのDNA調製およびそのタイピングに加え、本年度は110人分を行い、計356人の血液試料を本研究において使用した。しかしながら、本年度で追加したロットについては、ほぼ全ての試料について保存状態が不良であったとことが原因と考えられるDNAの劣化が著しかったことから、本研究において後の解析に用いるには不適当であると判断した。結果として、昨年度までに得られた結果を用いてアレル頻度表を作成するとともに、各種法医学的パラメーターを計算し、論文として発表した。計37の対象ローカスのうち、染色体15番上に位置するPenta EとFESFPSが連鎖不平衡にあることが示唆された。このため、2つのローカスのうちPD(Power of Discrimination, 識別能)が低いFESFPSを除く計36ローカスにを用いたDNA鑑定が、従来法に比して優位なものとなるか否かについて検討するために、シミュレーションを用いた評価を行うこととした。1万組の親子および血縁の無い個人の36ローカスについてDNA型をアレル頻度に基づいて作成し、個人同定における存在確率分布、二者および三者間での親子鑑定における尤度比の分布、さらに二者間での同胞・半同胞鑑定における尤度比の分布を調べる事とし、現在シミュレーションのためのプログラミングを進めている。昨年度、本研究が計画以上に進展している事から、新たにABI社Minifilerを補完する高識別のローカスセットの有用性について提案したが、今年度においてローカスの選定とマルチプレックスPCRのデザインを行った。現在、PCR条件の検討を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
2年次における研究達成目標は、全ての血液試料(当初予定300人)からのDNA調製を終え、全ての試料について3つのDNAタイピングキットによるタイピングの完了することであった。現在までに、試料の劣化により本研究に不適当と判断したサンプルも含め、計356人からの血液試料について、DNA調製および全てのローカスについてタイピングに供した。劣化試料を除く175人分の試料からのタイピング結果をもとにアレル頻度分布を作成し、さらに法医学的パラメーターを算出して論文として発表した。現在は、本データをもとにした、多ローカスを用いたDNA鑑定の評価のためのシミュレーションプログラムの作成に着手した段階である。従って、本研究は既に3年次の行程に進んでおり、当初の計画以上に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度となることから、これまでの成果の中で不足を補いながら残りの行程を完了する事を目標とする。具体的には、 1. シミュレーションによる36ローカス DNA 鑑定の評価 2. 新規マルチプレックスPCRの構築 の2点を進めていく。まずは当初からの計画である「1」を完了する事に尽力を注ぐ。既にシミュレーションのためのプログラミングに着手しており、課題の遂行については大きな問題は無いと考えている。「2」については、完了が望ましいが、少なくともPCRの大枠を整え、次のステップへの土台となりうるレベルを最低限の到達目標と位置づける事とする。
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Research Products
(1 results)