2013 Fiscal Year Research-status Report
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24590861
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吾郷 一利 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (20102056)
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Keywords | 法医病理 / 溺死 / プランクトン検査 / 珪藻検査 / 壊機法 / 画像解析 / 自動化 |
Research Abstract |
本研究は壊機法の自動化とプランクトン検索の自動化という大きな2つのテーマからなる.今年度はプランクトン検索の自動化における自動顕微鏡観察装置ならびに画像解析ソフトウエア[画像連結ソフトウエア(e-Tiling),画像計測・統計ソフトウエア(WinROOF)]の有用性を検討した. 前年度に構築した自動顕微鏡観察装置は,生物顕微鏡に,CCDカメラおよび電動ステージを装着し,これらをコンピューター上から操作・作動させるものであり,導入した画像解析ソフトウエアにより不都合無く動作している.画像解析ソフトウエアについては前年度の検討結果よりはさらに具体的事実が示された.すなわち,e-Tilingについては,有用性として①広範囲の拡大視野が得られる,②三次元画像を二次元画像に自動変換できる,問題点として①取り込みに時間が掛かる(対物レンズ20倍において1時間以上),②Z軸における画像のずれにより取り込めないプランクトンがある,③取り込んだ画像ファイルの圧縮が必要になる(解像度の低下),④作業量が大きくなるためPCのフリーズが頻発するなどが明らかになった.WinROOFについては,有用性として①検索時間が短い,②多様な検索プログラムを備えている,③微細珪藻でも検出が可能,④細かい検出条件の設定が可能,問題点として①プランクトンと類似した形状の物質との識別が困難,②プランクトン同士が重なったものの識別が困難,③形によって検索に困難なものがある(方形のもので顕著),④プランクトンの種別分類ができないなどが明示された. 画像解析ソフトウエアについてはさらに検討すべき課題があり,e-Tilingについては①鮮明な連結画像の取り込み,②画像取り込み時間の短縮化,WinROOFについては①識別能を高めるプログラム設定,②プランクトン種の分類まで可能なものとするなどが挙げられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の初年度に構築したコンピューター上から動作させる自動顕微鏡観察装置[現有の生物顕微鏡(ECLIPSE 50i,Nikon社製)に,CCDカメラ(DSカメラコントロールユニット DS-U3:Nikon社製)および電動ステージ(ProScan III,Prior社製)を装着したもの]は,プランクトン検索に応用可能であることが確認された.画像解析ソフトウエア(画像連結システムe-Tiling,MITANI CORPORATION社製),画像計測・統計システム(WinROOF,MITANI CORPORATION社製)の有用性を検討し,これらソフトウエアの有用性および問題点を明らかにし,今後の検討課題を提示することができた.得られた成果は第64回日本法医学会学術九州地方集会ならびに第99次日本法医学会学術全国集会において発表の予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に提示された今後の検討課題である画像解析ソフトウエアの問題点についてさらに検討を加え,ソフトウエアの珪藻検索の限界点を明らかにするとともに,より改良されたプログラム利用方法を検索しシステムの完成をめざす.併せて,もう1つの課題である壊機法の自動化に関しては未だ着手していないので,自動壊機装置の送液ポンプ・配管チューブの耐酸性などの基礎的事項について検討を加える. 研究経費については,壊機ならびにプレパラート作成のための試薬類は概ね前年度までに準備できているので,新たに着手する自動壊機装置の送液ポンプおよび耐酸性チューブの購入などに物品費の大半をあてる.また,容量の大きな画像ファイル保存のための大容量の記録メディア(USBメモリー,SDメモリーなど)の購入費,得られた成果を関連学会に報告するための旅費,最終年度にあたることから冊子作成費を計上する.
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Research Products
(1 results)