2013 Fiscal Year Research-status Report
直接PCR法による法医学的な検査に用いた試料からの個人識別の研究
Project/Area Number |
24590867
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
鉄 堅 日本大学, 医学部, 講師 (40277439)
|
Keywords | 直接PCR / 法科学試料 / ヒト体液斑 / ヒト爪 / STR多型 |
Research Abstract |
陳旧血痕から人血の確認試験後に検査で使用した血痕のガーゼ糸を用い、そのまま直接PCRでSTR多型を検査した。実際に血痕から精製されたDNAのSTR多型と比較して直接PCR法の増幅効果と精度を考察した。陳旧血痕から検出されたSTR多型は精製血痕のDNAと比較したところ、全てのローカスで多型が一致した。そこで、直接PCR法を用いて血痕の確認試験で使用した試料より検出されたSTR多型はほぼ方法的に確立されたと考えている。 血痕と同様に唾液斑や精液斑についても斑痕の法医学的な予備試験検査後に検査で使用したガーゼ糸を用い、直接PCR法でSTR多型の検査を行い、斑痕から精製したDNAと比較してSTR多型の検出法を確認した。そこで血痕の確認試験や唾液斑、精液斑の検査で使用する検査試薬は直接PCR法によるSTR多型の検出に影響しなかった。 STR多型の検査システムとしてキャピラリー電気泳動によるSTR16ローカスの検査とポリアクリルアミドゲル電気泳動の2種類の方法で行い、前者は検出感度が高く、後者は検査に使用する鋳型DNAの量がやや多く、いずれもからも正確に型判定ができた。 そのほかにヒト爪は硬組織として法医学の個人識別に重要な試料の一つである。本研究はヒト爪からDNA抽出を行わず直接PCR法でSTR多型が検出できた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
各法科学試料の予備試験や確認試験などについて試料を整理してその後に直ちに実験を開始した。斑痕試料の法医学的検査は技術上に今まで法医学の実際に使用している手法であるので、当初の予定通りに進展することができた。しかし、試料のDNA定量について少し手間がかかったが、リアルタイムPCR機器の購入で微量のDNA定量に役立ちになり、難問を解決した。 STR多型の検査と型判定について普段の研究に使用している方法で、直接PCR増幅の条件に集中して本研究が計画通りに進行ができた。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年は本研究の最終年度であり、Identifiler PCR Amplification KitなどSTR遺伝マーカーを用い、得られた各法科学試料のSTR多型の検査を継続して行う。また直接PCR増幅法の確立を行う予定である。 得られた研究データを整理して学術論文をまとめ、国際雑誌に投稿する。研究成績の学会発表も予定している。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は直接PCR法による法科学試料からのSTR多型などの実験の継続で試薬、実験用の消耗品などで物品費や論文掲載費も必要である。 リアルタイムPCR用試薬、STR増幅試薬、キャピラリー電気泳動およびデータの解析などにも計画している。
|
Research Products
(1 results)