2013 Fiscal Year Research-status Report
モノリスカラムを用いたハイスループットLC/MSによる緊急薬物同定システムの開発
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24590870
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Research Institution | Aichi Medical University |
Principal Investigator |
有信 哲哉 愛知医科大学, 医学部, 准教授 (30329776)
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Keywords | 法中毒学 / 分析化学 / 質量分析 / 有機化学 / 迅速分析 |
Research Abstract |
本年度は,生体試料の直接注入が可能だと予想されるHPLCカラムについて,固定相からの漏出チェック並びにMSへの影響,各種薬物のトラップ率の再調査を行い,その結果に基づいて,バックフラッシュカラムスイッチングシステムの構築を行った。前処理カラムはWaters Oasis HLB25μm, Waters Oasis WCX30μm又はShodex MSpak PK seriesを用いることで,対象薬物の漏出は認められなかった。なお,Shodex MSpak PK seriesの方が若干薬物の吸着力が強いことが確認された。バックフラッシュ後に導入される分析カラムの検討を行った。分析カラムには,メルク社のChromolith Performance High Resolution RP-18e 100-4.6mm, Chromolith Performance RP-18e 100-4.6mm, Chromolith Performance RP-18e 100-3mm, Chromolith Performance RP-18e 50-2mm等の比較検討を行った。その後,スイッチングバルブを3台または4台を使用し,HPLCポンプ一台のみでバックフラッシュカラムスイッチングシステムの構築を試みた。この構築した現システムでは,タンパク質等の生体高分子は,約0.5min程度で溶出することを確認した。また,移動相として0.1%ギ酸水溶液及び0.1%ギ酸含有アセトニトリルを用いたグラジェント法により4分以内にハロペリドール及びその代謝物数種を溶出させ,さらに相互分離させることが可能となった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
最適なトラップ用HPLCカラムの選定後, 高速液体クロマトグラフ/質量分析計を用いたバックフラッシュカラムスイッチングシステムを構築した。Test compoundsとしてハロペリドール及びその代謝物を用い,質量分析側の最適条件化,並びに各種薬物,内部標準物質を相互分離させるための最適条件(特に移動相)の検討を行った。 すなわちギ酸, メタノール,アセトニトリルなどを用いてその濃度,混合の割合,流速,グラジエントの比率などの検討を行い,薬物及びその代謝物の一斉分析の条件設定を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
生体試料に標準物質を添加し,検出限界・定量性・回収率および再現性について検討を行う。生体試料から各種薬物の定量性・再現性等の検討を行う。実際に薬物を摂取しているヒト血液からの薬物およびその代謝物を検出し,検量線によりそれぞれの濃度測定を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度に数万円の繰越が生じたが,年度明け数日以内に相当額を使用している。このため,ほぼ計画通りと考えている。 次年度の計画に沿って,HPLC/MS/MS関連装置及び部品,ガラスバイアル,ピペット類,移動相溶媒(メタノール,アセトニトリル,水等),試薬(無機酸,有機酸),関連書籍等の購入を予定している。
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