2013 Fiscal Year Research-status Report
長期飢餓ストレスが及ぼすエピジェネティック変化メカニズムの解明と臨床応用への展開
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24590888
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高倉 修 九州大学, 大学病院, 助教 (40532859)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 啓介 九州大学, 大学病院, 講師 (80325521)
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Keywords | マイクロRNA / 長期飢餓ストレス / 神経性食欲不振症 / DNAメチル化異常 |
Research Abstract |
<飢餓モデルマウス(Food restriction法)>1日食餌量を50%以上制限するとマウスの死亡率が高まり、実験への使用が困難である事が 判明した。40%食餌制限であれば、死亡率は低く、十分な体重減少が得られた。 <TaqMan microRNA assaysを用いたmiRNAの定量>マイクロアレイ法を用い、長期飢餓ストレスによりmiRNAの発現が増加または低下す る事を見いだした。それらは単独ではなく、多数存在し、かつ統計学的に有意であった。 今回の大きな発見は、飢餓以外の慢性ストレスマウスにおける当該miRNAとの発現比較により飢餓特異的miRNAを同定されたことである。 < ターゲットの特定と機能解析>同定したすべてのmiRNAのターゲットmRNAをTarget scanを用いて予測した。すでに判明しているmiR NAのターゲットは脳神経の発育に重要な蛋白である可能性が示唆された。 飢餓特異的miRNAの発見は極めて新しい知見であり、神経性食欲不振症患者における後天的な異常のメカニズム解明や治療への応用が期待され、成果についてリスボンにおける第22回世界心身医学会で発表した。 今後はDNAメチル化異常の検討やヒト血液サンプルを用いた検討を実施していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
飢餓特異的miRNAのを同定する為に、付加的に通常慢性ストレスマウス群の実験を行った。メチル化異常やヒトにおける検討が残されているのみであり、研究は概ね順調に進んでいると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画に従い、次年度はDNAのメチル化研究およびヒトサンプルでの検討を行う。また、成果については積極的に学会発表および論文発表を行っていく。 物品の購入についても、事前の計画を十分に行い、さまざまな側面から無駄のない様に努力していく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物実験は既にほぼ終了しているが、飢餓特異的miRNAの検索に重きをおいた研究を行った。また、研究関連の知識の習得および学会における研究発表をおこなったため、メチル化異常についての実験試薬などの購入が本年度はできなかった。 DNA抽出キットおよびメチル化異常検索キットの購入を5月中に行う。 ヒトサンプルにおける検証を行うための、miRNA検索キットを早急に購入する。
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