2012 Fiscal Year Research-status Report
視床下部と自律神経系による代謝調節機構の解明:個体・細胞レベルでの検討
Project/Area Number |
24590889
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
藤本 一眞 佐賀大学, 医学部, 教授 (50181392)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩切 龍一 佐賀大学, 医学部, 准教授 (70232642)
戸田 修二 佐賀大学, 医学部, 教授 (80188755)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 中枢神経 / 小腸 / 膵臓 / 肝臓 / 増殖機構 / アポトーシス / 増殖因子 |
Research Abstract |
エネルギーの摂取を中心とする生体の代謝調節においては小腸、膵臓、肝臓を中心する消化管での消化吸収機能と食欲の調節機能が大切な制御機構である。食欲の調節は中枢神経のなかでも視床下部を中心になされており,視床下部は自律神経系の制御においても重要な中枢となっている。今回は視床下部を中心とする中枢神経と小腸、膵臓、肝臓を中心とする消化管との関連を形態の維持、代謝調節機構という観点から検討した。 1)栄養素の消化吸収機構において最も重要な働きをしているのが小腸粘膜で,消化吸収では絨毛形態等の吸収面積の維持が不可欠である。ラットの実験において視床下部が小腸粘膜の増殖とアポトーシスを制御しており、小腸粘膜の恒常性維持に重要であることが判明した。更に膵臓、肝臓の形態恒常性維持にも重要な働きをしていることを明らかにした。 2)小腸細胞核純化を行い,トポイソメラーゼII活性を測定するとともに、アポトーシスに関連する細胞内のシグナル伝達系について検討し、各種の増殖因子の発現との関連を明確にした。さらに増殖因子の発現と実際の増殖能の変化を細胞のターンオーバー、粘膜細胞のDNA合性能、ポリアミン合成の律速酵素のオルニチン脱炭素酵素活性等の検討をし、総合的に中枢神経系の抹消組織増殖機構に及ぼす影響を解析した。 3)各種の脂肪摂取が消化管形態の恒常性の維持に重要な働きをしていることを明確にするととともに、その維持機構の一部に中枢神経系が関与していることが判明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
In vivo 実験 自律神経系および摂食行動に関連する視床下部の諸核に液性因子の微量注入や、破壊してその影響を見る。数時間単位の急性期と1~2週間後の長期の慢性実験との両方で施行する。本年度にほぼ達成できた。 視床下部等の中枢神経系が消化管の増殖・及ぼす影響を明確にし、アポチーシスア、増殖因子,癌関連遺伝子との関係を含めて細胞内のシグナル伝達系の検討を施行する。本年度に研究に着手することができた。 In vitro 実験 本年度にはまだ着手できていないが、実験遂行の準備はほぼできている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度で in vivo の実験計画のほとんどが遂行できた。平成25年度以後はin vitro の実験系を中心に研究を推進する予定であり、その概略を以下に記載した。 in vivo の実験系で得られた結果(特に細胞内シグナル伝達系の検討)には in vitro の実験系での証明が不可欠になるものが多い。生理的条件下での実験が望ましいと考え、初代培養細胞を用いた胃粘膜細胞(Ootani A, et. al. Am. J. Pathol. 2003)、小腸粘膜細胞(Ootani A, et al. Nature Med. 2009)、肝細胞(Nakashima M, et al. Biochim. Biophys. Acta、2010),膵臓細胞(Iwakiri R, et al. Diabetes Res. Clin. Prac. 1990)の再構築に成功しており,この系を用いて in vivo で得られた実験結果の妥当性を証明する。小腸細胞に関しては、小腸幹細胞による実験系を確立しており(Ootani A, et al. Nature Med. 2009)、この方法に準じて他の組織での培養系を確立し、本実験系に応用する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
代謝調節に関しては、小腸、膵臓、肝臓に焦点をあてて検討する。小腸に関しては消化吸収機構に関する中枢神経の作用、膵臓に関しては血糖調節機構、肝臓に関しては肝細胞機能への影響、に焦点をあわせて実験を計画する。 ・小腸生理機構の in vivo 実験系:消化吸収機能を中心とする実験系(Fujimoto K, et al. Am. J. Physiol. 1992; Ogata S, et. al. Exp. Biol. Med. 1997; Anzai K, et al. JCBN 2010) ・膵臓生理機能の in vivo 実験系:β細胞や血糖調節機構を中心とする実験系 (Iwakiri R, et al. Diabetes 1987;Noda T, et al. Metabolism 2001) ・肝細胞に関する in vivo実験系:肝細胞の脂肪化と発癌に関する実験系 (Ide Y, et al. Oncol Reports. 2009; Nakashima M, et al. Biochem Biophys Avta 2010)
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Validation of the FIB4 index in a Japanese nonalcoholic fatty liver disease population2012
Author(s)
Sumida Y, Yoneda M, Hyogo H, Itoh Y, Ono M, Fujii H, Eguchi Y, Suzuki Y, Aoki N, Kanemasa K, Fujita K, Chayama K, Saibara T, Kawada N, Fujimoto K, Kohgo Y, Yoshikawa T, Okanoue T
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Journal Title
BMC Gastroenterol
Volume: 12
Pages: 2-9
Peer Reviewed
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