2012 Fiscal Year Research-status Report
過敏性腸症候群患者の心理的異常を改善するための心理療法の開発
Project/Area Number |
24590890
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
田山 淳 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (10468324)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨家 直明 北海道医療大学, 心理科学部, 教授 (50336286)
西郷 達雄 長崎大学, 保健・医療推進センター, 技術職員 (50622255)
林田 雅希 長崎大学, 保健・医療推進センター, 准教授 (70264223)
小川 豊太(濱口豊太) 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (80296186)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 過敏性腸症候群 / 心理的ストレス / 不安 / 心理療法 / 脳腸相関 |
Research Abstract |
本研究では,過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome:IBS)に有効な新しい心理学的介入方法について検討をおこなっている。これまでの研究により,IBSの特徴として,①高不安を主とする心理的異常を示すこと,②高不安は脳機能異常を基盤とすること,③脳機能異常と消化管運動機能異常は相互作用すること,④薬物療法により脳機能異常および消化管運動機能異常が改善することをそれぞれ確認している。しかしながら,不安緩衝を目的とした心理学的介入は発展しておらず,その効果についても詳しく知られていない。本研究では,不安緩衝を目的とした心理療法をIBS患者に実施し,その有効性を複数の心理指標および生理指標を用いて検討を始めている。 昨年度の研究では,対象者のリクルート,検査機器の準備と調節,アンケートの準備がメインであった。対象のリクルートについては,臨床群を厳選するため,対象者の心理的側面である神経症傾向,消化器症状の重症度をアセスメントした。その結果,神経症傾向が下痢型IBSの消化器症状の重症度と正の相関関係にあることが明らかになったことから,この関係を取り上げまとめて英文誌に投稿し受理されている。 機器の調整については,脳波の測定する装置の調整については,分担研究者からのサポートを受ける形で順調に進めることができた。現時点において,今年度進める予定である介入と介入時の脳波を中心とする生理的検査等の準備は整っている状態である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分担研究者との共同作業がうまくいっているため,機器のトラブルなどもなく,調査票の準備などがとてもスムーズにできた。そのため,研究遂行上,発生しているトラブルなどはない。
|
Strategy for Future Research Activity |
今年度は,研究の肝である心理療法による介入および、介入中と介入前後の脳波を主とする生理検査を実施する。この介入が終了すると,本研究の全データがそろう。平成26年度には,このデータをまとめ,解析を行い,社会貢献のため英文誌に投稿する。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度の研究費については,主に学会発表に関するものとして計上している。本研究の中間報告として,特に対象者の心理行動特性についての報告を行う予定である。
|
Research Products
(5 results)