2015 Fiscal Year Annual Research Report
マウスの心臓移植モデルによる拒絶反応抑制に関わる漢方薬の作用機序の解析
Project/Area Number |
24590900
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
新見 正則 帝京大学, 医学部, 准教授 (80198415)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 漢方薬 / マウス / 心臓移植 / 拒絶反応 / 制御性T細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
臓器移植における最大の課題である拒絶反応を抑制、制御する薬剤の探究のため、保険適応となっている148種類の漢方薬とその構成生薬をマウス心臓移植モデルに投与し、生着延長期間を調査した。 平成24年度に行った調査の内、当帰芍薬散(TJ-23)と茵ちん五苓散(TJ-117)が生着延長効果を持つことを証明した。当帰芍薬散では、その効果を示すために構成生薬すべてを必要とし、茵ちん五苓散では、構成生薬の1つである茵ちん蒿がその効果を示す主な生薬であることが分かった。それぞれの漢方薬の効果はTransplantation Proceedings, 44,1070-1072(2012)とEvid Based Complement Alternat Med. 2012;689810で報告済みである。 平成25年度は平成24年度の実験を進め、34種類の漢方薬の生着期間を調査し、Transplantation Proceedings 46, 1175-1179 (2014)に掲載された。さらに、当帰芍薬散の構成生薬の組み合わせにおいて、芍薬と川きゅうの組み合わせが免疫制御効果を示すことを証明し、Evidence-Based Complementary and Alternative Medicine 2014;841408に報告した。 平成26年度には、新たに20種類の漢方薬の効能を調査し、約100種類を解析した。特に、小半夏加茯苓湯が平均77日と著明な生着延長効果を認め、制御性T細胞の誘導を確認できたため、Chinese Journal of Integrative Medicineに報告し、受理されている。 延長した平成27年度には、全148種類を網羅的に解析し、漢方薬投与による全平均生着期間を調査した。当年度に判明した、四逆散投与による生着延長効果を日本東洋医学会に提出する予定である。全生着期間に関しては、今後も解析を続け、生薬との関連性を解析後、随時報告する予定である。
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