2012 Fiscal Year Research-status Report
特異的NK細胞受容体・リガンドを標的としたクローン病新規治療法の開発
Project/Area Number |
24590937
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
長堀 正和 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60420254)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永石 宇司 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教 (60447464)
渡辺 守 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10175127)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 炎症性腸疾患 / クローン病 / 新規治療法 / 粘膜免疫 / NK細胞 |
Research Abstract |
本研究では申請者らがこれまでに得られた知見を基盤として独自に研究を展開してきたナチュラルキラー(NK)細胞による特異的受容体/リガンドを介したその細胞傷害活性に着目し、炎症性腸疾患の病態における特異的な免疫学的異常に対する新規治療法の開発基盤樹立を目標とした研究を展開している。その結果、本研究では当該研究期間に以下のような成果が得られた。1)マウスの骨髄、脾臓、および腸管、その他の臓器からNK1.1陽性細胞を単離し、AsialoGM1、IL-7R、NKG2D、Ly49C+I、Ly49G2、Ly49F、CD94、KLRG1、CD43、CD44、CD66a、CD122、CD244、CD11b、Dx5、CD3といったNKレセプター、および分化・活性化マーカーによる各NK細胞亜集団の分類化を行った。2)またこれらのサブセットをFACS soringによって単離し、それぞれのIFN-γ、Granzyme B、Perfolinの発現量や産生能をRT-PCRもしくはELISAで確認し、Fas-L、TRAILなどの発現をFACSで解析することによって、これらの集団のプロファイル構築を行った。3)こうして同定された各NK細胞サブセットをFACS sortingによって単離し、IL-2などのリコンビナント サイトカインの添加を行うなどして、各々のサブセットに対して高いviabilityが維持できる培養系を樹立させることに成功した。これらの成果はこれまで不明確であった各NK細胞サブセットの機能解析を行う上で大きく貢献できるものと思われる。とくに炎症性腸疾患の病態において誘導される獲得免疫反応に対する各サブセットの細胞傷害活性をこれから詳細に解析する上で重要な実験系の確立に寄与するものと示唆され、今後の研究成果が期待されるものと思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
NK細胞の前駆細胞や分化マーカーに関する情報が最近報告されてきており、その機能の違いが示唆されている。本研究を遂行する上でこれらを明確に識別できたことは大きな成果であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
NK細胞の各サブセットを同定・分離・培養できたことを受けて、今後はそれぞれの機能を解析するとともに、炎症性腸疾患における異常な免疫応答に対してどのサブセットが影響を及ぼしうるかを解析する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度はさらに詳細な分子メカニズムを解析するために、フローサイトメトリー、細胞傷害活性測定に関連する培養、分子生物学関連試薬、放射性同位元素、抗体、および遺伝子改変動物の交配、維持に必要な経費に使用する予定である。
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Research Products
(24 results)