2014 Fiscal Year Annual Research Report
p53活性化因子HIPK2のRNAプロセシングを介した新たな大腸がん抑制機構
Project/Area Number |
24590943
|
Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
増田 清士 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 講師 (00457318)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑野 由紀 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 助教 (00563454)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | RNAプロセシング / 選択的スプライシング / HIPK2 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究過程から、選択的スプライシング因子SRSF3をノックダウンするとp53活性化因子であるhomeodomain-interacting protein kinase 2(HIPK2)のexon8の5´側81塩基をスキップした新規アイソフォーム(HIPK2-Δe8)が誘導され、KRAS、FOS、Cyclin D1の発現がmRNAレベルで抑制され、p53非依存性にアポトーシスが誘導されることを見いだした。また、HIPK2-Δe8はheterochromatin protein 1 γ(HP1γ)と特異的に結合し、その機能を制御していることが示唆された。これらの結果を受け、本研究期間で以下の検討を行った。 1.HIPK2-Δe8とHP1γは形態的に核内でスペックル状に発現し共局在した。また免疫沈降法で、HIPK2-Δe8はHP1γの蛋白質結合ドメイン(クロモシャドウドメイン)に特異的に結合することを見出した。 2.phos-tagを用いたウェスタンブロット法とin vitro kinase assayにより、HIPK2-Δe8がHP1γをリン酸化することを確認した。HP1γのリン酸化はHIPK2-Δe8のキナーゼ活性ドメインに変異を導入すると消失した。 3.免疫沈降法とクロマチン分画法により、HIPK2-Δe8はHP1γとトリメチル化(Lys9)ヒストンH3の結合を阻害し、HP1γをクロマチンから解離させた。 以上の結果から、HIPK2-Δe8はHP1γのリン酸化を介してクロマチン構造変換を制御し、様々な遺伝子発現を制御していることが示唆された。
|