2013 Fiscal Year Research-status Report
肝癌、膵癌における核内受容体と小胞体ストレスの相互作用に関する研究
Project/Area Number |
24590955
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
神田 達郎 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (20345002)
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Keywords | 小胞体ストレス / 肝癌 / 膵癌 / Sorafenib / AR |
Research Abstract |
【目的】肝癌, 膵癌における小胞体(ER)ストレスおよびアンドロジェンレセプター(AR)シグナリングの相互作用を解明し, 発癌, 進展における役割を明.【方法】1)ARをknock-downした肝癌細胞Huh7-sh-ARとコントロールHuh7-sh-controlを用いて, ERストレスマーカーGRP78の発現状態をreal-time RT-PCRおよびWestern blottingにて検討した. 2)ARを強制発現させた場合のGRP78発現およびER stress responsive elements (ESRE), AR-responsive elements (ARE)の活性化をWestern blottingおよびレポーターアッセイにてそれぞれ検討した. 3)臨床検体(OriGene Tissue-qPCR-array)を用いて肝細胞癌におけるARおよびGRP78発現状態をreal-time PCRにて検討した. 4)AR及びGRP78のknock-downがSorafenib誘導性アポトーシスに与える影響を検討した. 5)膵癌細胞株を用いてGRP78ほかERストレスマーカーをWestern blottingにて確認した.【成績】1)Huh7-sh-controlと比較するとHuh7-sh-ARではGRP78の発現が低下していた. またHepG2をAR阻害剤Flutamideにて処理すると容量依存性にGRP78発現の低下がみられた. 2)Huh7細胞でARを強制発現させるとAREおよびESREの活性化の増強が確認された. 3)臨床検体を用いた検討で, 特にStage I/IIの肝細胞癌でARおよびGRP78 mRNAの強い相関関係がみられた. 4)HepG2を用いた検討で, ARとGRP78両者をともにknock-downすると, Sorafenib誘導性アポトーシスが増強した. 5) 膵癌細胞MIAPaCa-2, Panc-1, AsPC-1, SUIT-2, KP-2ではGRP78が発現しており, ERストレス誘導剤Thapsigarginでその発現増加がみられた.【結論】肝細胞癌ではARシグナルがGRP78などERストレスに影響を及ぼしていることを確認した. 肝炎ウイルス感染肝細胞およびに膵癌細胞おける検討は今後も続ける予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝癌細胞株を用いてARと小胞体ストレスシグナルの両者が発癌、癌進展に関与していることを明らかにした。またSorafenib抵抗性の肝癌細胞株で、ARとGRP78の両者を抑制することにより、アポトーシスを強力に誘導することを観察した。 肝炎ウイルス感染細胞、膵癌細胞を用いた検討もおおむね順調に進んでおります。
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Strategy for Future Research Activity |
肝炎ウイルス感染肝細胞およびに膵癌細胞おけるARとERストレスの関与に関する検討を引き続き行なう予定である.
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