2013 Fiscal Year Research-status Report
網羅的ペプチドミクスによるNASHの病態解析と分子標的の探索
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24590969
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
山本 憲彦 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60501963)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 和史 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60378370)
白木 克哉 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90263003)
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Keywords | NASH バイオマーカー / 質量分析 / iTRAQ ラベル法 |
Research Abstract |
近年、病態プロテオミクスにおける血中ペプチドの重要性が明らかになってきている。病態の局所環境においては、数々のプロテアーゼによって特に細胞内や細胞外のタンパクを分解し、低分子量のタンパクを多数分泌や産生をしており、いわゆるペプチドームの産生源となっている。また、糖鎖やリン酸化などのタンパク修飾なども特異的にみられる。そこで本研究では、近年増加しているメタボリック症候群の一表現型と考えられる非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD/NASH)を対象にして、血液中、組織中ペプチドミクス解析により、特に代謝関連分子に着目して、新たなNASH進展の責任分子を探索する。最終的に病態進行の責任分子、分子標的を探索し臨床応用することを目的とする。 Pooled sampleを用いてNASH特異的な新規バイオマーカー候補同定を試みた。方法は、iTRAQ法を用いて行った。その原理は、各検体に含まれるすべてのペプチドをそれぞれ異なるiTRAQ reagentでラベルし、すべての検体を等量で混合し、質量分析により各ペプチドのそれぞれの検体における発現比率を測定し、NASHにおいて疾患特異的に増加しているペプチドを探索するものである。これにより、serotransferrin peptide1、serotransferrin peptide2、S5A3、MUC5などがNASH患者血清のおいて上昇していた。 また、NAFLD間(Type1+Type2とType3+Type4の間)でも有意差がみられるマーカーも検索できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ある特定のタンパクにおける正常と脂肪肝(Type 1,Type2,Type3+4)の有意差は認められた。またType1+Type2と比較してType3+Type4でペプチド断片の増加が認められたこと、また、酸化ストレス関連マーカーにおいて両群に差があるようであり、マーカー探索という観点では順調に進行していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
さらなるマーカーの探索とマーカーのpathogenesisとの関連の検討および個々の症例、および多検体での定量評価によるvalidationが必要である。
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