2012 Fiscal Year Research-status Report
肝癌の分子標的治療におけるVitamin K2アジュバント効果の基礎的研究
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24590982
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Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
水田 敏彦 佐賀大学, 医学部, 講師 (80253607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾崎 岩太 佐賀大学, 保健管理センター, 准教授 (80214120)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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Keywords | Vitamin K2 / Sorafenib / Hepatocellular carcinoma |
Research Abstract |
Sorafenibは現在進行肝癌に対する分子標的薬として臨床的に使用されているが、効果は限定的である。我々はVK2がNF-kBやMAPK、PKCの活性化を抑制することで肝癌細胞の増殖・浸潤に関する遺伝子の発現を抑制し、抗腫瘍効果を発揮していることを示してsorafenibとの併用は有用であると考えている。実際、VK2とsorafenibの併用はin vitroでの肝癌細胞の増殖を相加的に抑制することを確認した。近年、低酸素誘導因子(Hypoxia-inducible factor, HIF)が血管内皮増殖因子(VEGF)を誘導して血管新生を促進、肝癌の発生・増殖や浸潤・転移に関与することが報告されており、治療抵抗性の一因となっていることが考えられている。我々はVK2がsorafenibに対する治療抵抗性を軽減する可能性を考え、VK2のHIF活性化に対する影響を検討した。その結果HIFはPKC刺激で活性が増強され、VK2はHIFの誘導をPKCの抑制を介して抑制していることが明らかとなった(2013肝臓学会総会発表予定)。またsiRNAによる実験からこの作用はPKCδを介していることが分かった。この結果はVK2の新たな作用機序を示すものでsorafenibとの併用のさらなる有用性を示していると考えられる。 さらに進行肝癌に対するsorafenibとVK2の併用の臨床研究を同時に進めており、現在sorafenib単独治療よりもsorafenib/VK2併用療法の方が生存期間が有意に長い結果を得てている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の最も重要な目標としていた肝癌細胞の増殖およびアポトーシスに対するsorafenibとVK2の相加・相乗効果とそれに対する細胞内シグナル伝達系の関与については確認でき、学会発表も行った。しかしまだ血管内皮細胞における同様の解析が十分に行えていない。この理由は血管内皮細胞の培養条件が安定しないことにある。 一方次年度に予定していたsorafeibに対する肝癌細胞の治療抵抗性の一因と考えられるHIFの活性化をVK2が抑制することをすでに確認できており、今後の研究は予定通り進展するものと考えている。また臨床研究も同時進行させており、一定の結果が出つつある。
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Strategy for Future Research Activity |
Sorafenib抵抗性の一因であるHIFの活性化をVK2がPKCを介して抑制することから今後、PKC刺激がsorafenib耐性に関与することを確認し、PKC阻害剤との併用による抗腫瘍効果の検討を行う予定である。今後肝癌細胞において併用によるVEGFの発現に対する効果と、内皮細胞に対する効果を確認する。 さらにin vivoの検討としてヌードマウスに対する肝癌細胞移植モデルを用いてsorafenibとVK2併用効果を検討する。 進行肝癌に対するsorafenib/VK2併用の臨床研究も同時に進行させる予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養器具、試薬等の購入に使用するとともに、動物実験を行うため、動物の購入・飼育費用へ使用する予定である。また一定のデータが揃った時点で学会発表・論文投稿を計画しており一部は旅費・投稿費用としての使用を予定している。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Sorafenib versus hepatic arterial infusion chemotherapy for treatment of advanced hepatocellular carcinoma: a comparison of efficacy.2012
Author(s)
Shunya Nakashita, Taiga Otsuka, Seiji Kawazoe, Yuichiro Eguchi, Saori Kamachi, Hiroshi Isoda, Takumi Akiyama, Hirokazu Takahashi, Shinji Iwane, Masaru Fujimoto, Iwata Ozaki, Toshihiko Mizuta
Organizer
6th ILCA Annual Conference
Place of Presentation
Berlin, Germany
Year and Date
20120914-20120916
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