2014 Fiscal Year Annual Research Report
微小環境変化による肝癌細胞の上皮間葉移行とオートファジーの関連について
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24590983
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
中尾 一彦 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 教授 (00264218)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮明 寿光 長崎大学, 病院(医学系), 助教 (20437891)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 上皮間葉移行 / 肝癌細胞 / 微小環境変化 / microRNA-122 |
Outline of Annual Research Achievements |
微小環境変化による肝癌細胞の上皮間葉移行とその阻害に関する研究を実施した。増殖因子、サイトカイン、低酸素状態、低栄養状態(分岐鎖アミノ酸欠乏など)など肝癌細胞を取り巻く様々な微小環境の変化が、どのようにして肝癌細胞にEMTを惹起するかについて検討を行った。さらに、EMT過程における低酸素誘導因子(HIF-1)誘導、細胞内EMT関連分子の変化、microRNAの発現変化を明らかにし、これらの変化をmodulateすることで、EMTを抑制できないか検討を行った。その結果、高インスリン培養条件下では、Eカドヘリンの発現低下ならびに、低酸素誘導因子(HIF-1)活性化を介し肝癌細胞からのVEGF産生が亢進すること、この現象は低分岐鎖アミノ酸培養条件下で促進され、分岐鎖アミノ酸の補充により減弱することが明らかとなった。その機序として、低分岐鎖アミノ酸培養条件下ではVEGF mRNAの半減期が延長し、分岐鎖アミノ酸の補充によりVEGF mRNAの分解が促進され、半減期が短縮することによるものであった。すなわち、インスリンと分岐鎖アミノ酸は肝癌VEGF産生に対して、相反する作用を持つことが示唆された。一方、肝細胞増殖因子(HGF)による肝癌細胞の上皮間葉移行におけるmicroRNA-122の発現を検討した結果、HGFによってEカドヘリンの発現低下、細胞運動の亢進の見られる数時間前より、microRNA-122の発現低下が認められることが明らかとなった。現在、microRNA-122発現アデノウイルスを感染させmicroRNA-122を強制発現させることで、微小環境の変化によるEMT誘導が抑制できるか検討の最終段階にある。
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[Journal Article] Significance of miRNA-122 in chronic hepatitis C patients with serotype 1 on interferon therapy.2015
Author(s)
Kamo Y, Ichikawa T, Miyaaki H, Uchida S, Yamaguchi T, Shibata H, Honda T, Taura N, Isomoto H, Takeshima F, Nakao K.
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Journal Title
Hepatol Res.
Volume: 45(1)
Pages: 88-96
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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