2014 Fiscal Year Annual Research Report
肝細胞癌に対する三重特異性ヒト型カイコ抗体を用いた治療法の開発
Project/Area Number |
24590986
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
佐々木 茂 札幌医科大学, 医学部, 講師 (10305229)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 博幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 准教授 (40332910)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 三重特異性抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度において行った抗FGFR-1X抗CD3 FC結合三重特異性ヒト型抗体(CHO細胞)のヒト肝がん細胞に対するSCIDマウスを用いたin vivo実験において、in vitroにおいて得られたような抗腫瘍効果を得ることができなかった。平成26年度には、まず、抗FGFR-1X抗CD3 FC結合三重特異性ヒト型抗体(CHO細胞)の抗腫瘍効果の増強を目的に、構造改変を行った。様々な構造改変を行い、抗FGFR-1X抗CD3 FC結合三重特異性ヒト型抗体(CHO細胞)の作成を継続して行ってきた。それぞれの作成した抗FGFR-1X抗CD3 FC結合三重特異性ヒト型抗体(CHO細胞)を用い、まず、in vitroのADCC活性を検討した。結果はこれまで作成してきた抗FGFR-1抗体とほぼ同等のADCC活性しか得ることはできなかった。期待したADCC活性の増強効果までは見いだせなかった。次に、抗腫瘍効果は不十分ながら、これらの抗体を用いて、ヒト肝がん細胞に対するin vivoの実験に進んだ。結果は抗FGFR-1X抗CD3 FC結合三重特異性ヒト型抗体(CHO細胞)による抗腫瘍効果はこれまで作成してきた抗FGFR-1抗体に比べてむしろ弱いという結果であった。これらのin vitroおよびin vivoの結果から、これまで構造改変を行って作成してきた抗FGFR-1X抗CD3 FC結合三重特異性ヒト型抗体(CHO細胞)において期待されたADCC活性の増強効果は親抗体である抗FGFR-1抗体のADCC活性を強く凌駕するものではなく、三重特異性抗体に構造改変を行う意義を確認できない結果であり、現在、このままカイコ抗体の作成に進むことが困難な状況に至っている。このため、さらにADCC活性の増強に至らなかった原因について改めて検討を行っている。
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