2013 Fiscal Year Research-status Report
C型肝炎ウイルスと腫瘍ニッチ関連分子による肝癌幹細胞制御機構の解析
Project/Area Number |
24590994
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
足立 雅之 慶應義塾大学, 医学部, 助教 (70338028)
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Keywords | 肝臓学 |
Research Abstract |
平成25年度の実施計画として、【肝癌幹細胞における癌幹細胞マーカーの同定と肝癌幹細胞に対するHCV感染の役割】および【細胞外マトリックスPeriostinによる肝癌幹細胞に対する機能解析】を提案した。 肝癌幹細胞における癌幹細胞マーカーの同定と肝癌幹細胞に対するHCV感染の役割】については、HCVによる肝癌幹細胞制御に関わる分子としてHypoxia-inducible factor (HIF)およびHistone Deacetylaseを同定し、HCV感染によりこれらの分子が発現し、肝癌幹細胞のStemness維持に重要な役割を果たすことを見出し、現在論文投稿中である。 【細胞外マトリックスPeriostinによる肝癌幹細胞に対する機能解析】については、Periostinノックアウトマウスを用いて、CCL4による肝線維化モデルによる肝線維化を検討した。さらにDENまたはDEN+CCL4による肝癌モデルを作成し肝癌モデルを作成した。これによりPeriostinノックアウトマウスではCCL4惹起肝線維化とDEN誘発肝発癌は有意に抑制されることを見出した。現在、論文作成にあたりそのメカニズムの解明、特に肝星細胞がPeriostin発現を介して肝発癌に果たす役割について検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究では、①肝癌幹細胞のStemness維持機構に対するHCVの役割の解明、さらに②腫瘍ニッチや線維化に重要な分子Periostinに注目し、癌幹細胞の自己複製能、未分化維持機構におけるPeriostin関与を検討するものである。上述の通り、平成25年度の実施計画は計画通り実施され、①の肝癌幹細胞におけるHCVの役割を解明し、論文投稿中である。Periostinの役割については、肝癌モデル、肝線維化モデルのいずれにおいてもPeriostinノックアウトマウスでは有意に抑制されることを見出した。
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Strategy for Future Research Activity |
上述の通り、平成25年度の実施計画は計画通り実施され、①の肝癌幹細胞におけるHCVの役割を解明し、論文投稿中であり本年度中に発表できると考える。Peer-review Journalでの査読結果でrevise実験を行う。 Periostinの役割については、肝癌モデル、肝線維化モデルのいずれにおいてもPeriostinノックアウトマウスでは有意に抑制されることを見出した。現在、論文作成にあたりそのメカニズムの解明、特に肝星細胞がPeriostin発現を介して肝発癌に果たす役割について検討している。平成26年度内に論文を投稿、発表予定である。
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