2013 Fiscal Year Research-status Report
B型肝炎症例への核酸アナログ製剤による薬剤耐性と新規治療薬の検討
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24590999
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Research Institution | Okinaka Memorial Institute for Medical Research |
Principal Investigator |
鈴木 文孝 公益財団法人冲中記念成人病研究所, その他部局等, 研究員 (80322642)
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Keywords | B型肝炎 / ラミブジン / アデホビル / エンテカビル / テノホビル / 多剤耐性ウイルス / 次世代シークエンサー |
Research Abstract |
ラミブジン治療抵抗例(耐性化例、不応例)406症例(ラミブジン治療中に血清HBV DNA量が最低値より1 log copies/mL以上続けて上昇した症例、または、ラミブジン治療1年以降でDNA量が5 log copies/mL以上の症例)において、アデホビルとの併用療法を行った。併用療法開始時に多剤耐性ウイルス(ラミブジン+アデホビル耐性、エンテカビル耐性)を認めた症例は11例(2.7%)であった。また併用療法開始後12例(3%)でラミブジンとアデホビル両剤に対する耐性ウイルスの出現を認めた。RtA181S/Tの変異を11例に認め、rtT184I またはrtM250Iの変異を4例に認め、rtA181TとN236T のdouble mutationを2例に認めた。この12例中10例において併用療法開始時の血清を用いて、高感度の測定系である次世代シークエンサーにより耐性ウイルスの検討を行った。次世代シークエンサーはIon OneTouch Enrichment System (Life Technologies)を使用し、プラスミドからの検討で0.25%以上を有意と判断した。併用療法後rtA181T/V/Sの変異が出現した10例中7例で治療開始前にすでにrtA181TまたはrtA181Vの変異が検出された。検出量は7例中6例で1%以下であった。一方rtT184I, rtM236T, rtM250I/Lの変異は、治療開始時でも検出されなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回の研究では、 ① ラミブジン治療抵抗例および抵抗例に対するラミブジンとアデホビル併用療法施行例における多剤耐性ウイルスの出現頻度とその後の臨床経過についての検討。 ② エンテカビル耐性の頻度や耐性パターンと臨床経過についての検討。 ③ 多剤耐性ウイルスの出現例に対する次世代シークエンサーを用いた高感度の耐性ウイルスの検討。 ④ 多剤耐性ウイルスによる肝炎出現例に対するテノホビル治療の効果とテノホビル耐性についての検討。が目的である。 現在①と③の研究は終了し、論文作成投稿し、accept (Journal of Gastroenterology)されている。(in press)②と④の研究は現在解析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究では、 ①エンテカビル耐性の頻度や耐性パターンと臨床経過についての検討を行う。耐性ウイルスの検討は、invader assay, direct-sequence法にてスクリーニングを行い、最終的にはcloning法にて各耐性変異がどのように関係しているか把握する予定である。 ②多剤耐性ウイルスによる肝炎出現例に対するテノホビル治療の効果。新規治療薬であるテノホビルの多剤耐性ウイルスに対する効果を臨床的、およびウイルス学的に検討する。テノホビル投与後のウイルス動態と耐性パターンとの関係やテノホビルでの効果不十分例(現在2例あり)のウイルス学的解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究では、 ①エンテカビル耐性の頻度や耐性パターンと臨床経過についての検討を行う。耐性ウイルスの検討は、invader assay, direct-sequence法にてスクリーニングを行い、最終的にはcloning法にて各耐性変異がどのように関係しているか把握する予定である。 ②多剤耐性ウイルスによる肝炎出現例に対するテノホビル治療の効果。新規治療薬であるテノホビルの多剤耐性ウイルスに対する効果を臨床的、およびウイルス学的に検討する。テノホビル投与後のウイルス動態と耐性パターンとの関係やテノホビルでの効果不十分例(現在2例あり)のウイルス学的解析を行う。 研究費は、PCRに使用する試薬類(BigDyeTerminator vl.1 CycleSequencingKit 4337451, FAST START HIGH FEDLITY PCR SYSTEM, QIAGEN QIAamp DNA mini kitなど)やシークエンサーに使用する試薬類(3100/3130バッフォリザーバ用ゼブタストリップなど)に使用する。
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