2012 Fiscal Year Research-status Report
1型自己免疫性膵炎におけるIgG4産生機序と自然免疫の役割
Project/Area Number |
24591020
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
内田 一茂 関西医科大学, 医学部, 講師 (40411516)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 1型自己免疫性膵炎 / IgG4 |
Research Abstract |
本年度はIgG4産生機序の解析として1型自己免疫性膵炎(AIP)と鑑別を要する膵癌におけるIgG4陽性細胞と制御性T細胞について比較検討した。 IgG4陽性細胞数はAIP 21.667±2.436、癌部5.183±1.061、膵癌隣接部位2.250±0.431、膵癌上流の閉塞性膵炎4.033±0.005個とAIPが有意に高値であった。IgG4/IgG陽性細胞の比率はAIP 62.4%±5.9、癌部29.1%±4.5、膵癌隣接部位25.9%±5.4、膵癌上流の閉塞性膵炎21.0%±4.8とAIPで有意に高値であった。IgG4陽性細胞が10/HPFを超えるものは、癌部で21例中1例(5%)膵癌上流の閉塞性膵炎で21例中2例(10%)認められた。IgG4/IgG陽性細胞比40%以上の症例が癌部で21例中9例(43%)、膵癌隣接部位で21例中6例(29%)、膵癌上流の閉塞性膵炎で21例中3例(14%)認めた。包括診断基準のIgG4/IgG陽性細胞比40%以上かつIgG4陽性細胞数が10/HPFを超える症例はAIPでは9例中8例(89%)であったが、癌部と膵癌上流の閉塞性膵炎でもそれぞれ21例中1例(5%)に認めた。IgG4とFoxp3の相関関係は膵癌上流の閉塞性膵炎とAIPにおいて相関関係が認められた(R=0.733)。癌部、膵癌隣接部位では相関関係は認められなかった。 このことは膵癌とAIPの鑑別において、IgG4関連包括診断基準を基にしたIgG4陽性細胞数およびIgG4/IgG陽性細胞比率IgG4陽性細胞数について診断することは注意が必要であると考えられた。IgG4産生機序に関しては、上流の閉塞性膵炎の部位ではAIPと同じ制御性T細胞を介した機序が関与している可能性があるが、癌部においては異なったメカニズムが存在する可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在臨床検体における制御性B細胞のデータ収集は終了しデータの解析もほぼ終了し論文作成もほぼ終了し、近日中に投稿予定である。また抑制性細胞であるM2マクロファージのデータ収集・解析も終了、論文も作成されており投稿準備中であり、研究は順調に進展しているものと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き臨床検体においては1型自己免疫性膵炎における自然免疫の関わりについて解析する予定である。また動物モデルの作成とそれをもとに抑制性細胞の役割と発症機序における自然免疫の役割について解析を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
機器類は既に施設にあるため、研究試薬をはじめとする消耗品と研究発表のための旅費に使用する。
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Research Products
(18 results)