2012 Fiscal Year Research-status Report
腹部大動脈破綻におけるMafBの役割解明及びPET/CTを用いた画像化の試み
Project/Area Number |
24591033
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡邉 哲 山形大学, 医学部, 講師 (40359568)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 腹部大動脈瘤 / マクロファージ / MafB / PET/CT |
Research Abstract |
腹部大動脈瘤モデルマウスには、複数報告がある。我々はscavenger receptor enhancer-promoterを用いてマクロファージ特異的DN-MafBマウスを有している。アポE欠損マウスと交配し、アンジオテンシンII(500-1000 ng/kg/min)を浸透圧ミニポンプで、皮下投与するモデルをまず検討している(Arterioscler Thromb vasc biol 2004;24:429-434)。近年、腹部大動脈瘤の形成にニコチンが関与していることが報告されており、ニコチンによる腹部大動脈瘤モデルも検討する。 DN-MafB単球由来マクロファージおよびMafB恒常的発現抑制細胞を用いた検討では、ニコチン、低酸素、PM2.5粒子投与などを行い、大動脈瘤形成に関係するメディエーター(MMP-3, MMP-9, MMP-12, macrophage inflammatory protein 1α, interleukin-8)の発現について、検討している。マクロファージ特異的DN-MafBマウスの腹腔マクロファージを用いて、cathepsins, MMP産生能について、検討している。 FDG PET/CTを用いた臨床研究は、ステントグラフトを用いた治療が普及しており、対象となる患者の選定に難渋している。倫理委員会の承認を得て、症候性と無症候性でFDG集積に差があるか、血液検査上のMMP-9、MIP-1αとの相関、外科切除標本におけるMMP-9やMafBとの関係を検討する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
FDG PET/CTを用いた臨床研究で、外科切除標本におけるMMP-9やMafBの発現と症候性と無症候性大動脈瘤におけるFDG集積との関係を検討する予定であるが、近年ステントグラフトを用いた手術が普及し、開腹手術が激減している。このため対象となる患者の選定に難渋している。
|
Strategy for Future Research Activity |
FDG PET/CTに関しては、心臓血管外科との協力の下、症例数を伸ばす予定である。 動物実験及び細胞実験に関しては、DN-MafBマウス、DN-MafB単球由来マクロファージなど実験環境は整っており、引き続き実験を進める予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
複数種の腹部大動脈瘤モデルを作成し、マクロファージ転写因子MafBの病態形成に関する役割を検討する。MafBはCOPD患者の気管支肺胞洗浄液中のマクロファージで増加しており、COPD発症に関与が示唆されている。喫煙など酸化ストレスによりMafBは増加することより、大動脈瘤形成にも関与する可能性が高い。ニコチンによるMafB活性化などについて、さらなる検討を行う予定である。
|