2014 Fiscal Year Annual Research Report
左室駆出率が保たれた心不全におけるカルニチンの意義
Project/Area Number |
24591049
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
坂田 泰史 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00397671)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 朋仁 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30623897)
真野 敏昭 兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (90379165)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心不全 |
Outline of Annual Research Achievements |
心不全患者の40-50%を占める左室駆出率が保たれた心不全(HFpEF)に対し、有効な治療手段がない。また、治療の前提として必須なリスクを評価する診断基準も定まっていない。本研究は、HFpEFに対し、カルニチンの投与による発症予防効果を検討するものである。我々が以前確立した高血圧性HFpEFモデルに対して、メタボローム解析を行った結果、HFpEFを発症するラットでは、尿中、血中のカルニチン濃度が減少しており、それらに対して補充療法を行うと、HFpEFラットモデルの寿命は有意に増加した。また、そのメカニズムの一つとして、カルニチンがアラキドン酸カスケードを介して、PGI2による心筋線維化予防効果があること、その過程にFADS1,2の酵素発言に関与していることを明らかにした。また、カルニチンの心不全症例における低下について、ダール食塩感受性ラットと抵抗性ラットの通常食投与群/高食塩食投与群における経時的検体を用いて、カルニチンが食塩感受性 and/or HFpEFの病態に関与している可能性をも明らかにした。そこで、臨床観察研究を行うべく、現在多施設での連携を行い、HFpEFレジストリーを準備中である。しかし、まず測定などの前提として、HFpEFと思われる症例が施設内にどのくらい存在するか、またその鑑別方法、さらに病態による階層化などに取り組んでおり、カルニチンに関する臨床観察研究については、その測定時期、病態などを慎重に判断する予定である。
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