2014 Fiscal Year Annual Research Report
肥満における動脈周囲脂肪組織の挙動と粥状硬化巣の病勢との関連に関する研究
Project/Area Number |
24591057
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
大森 浩二 香川大学, 医学部, 准教授 (00263913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
アリフ・ウル ハサン 香川大学, 医学部, 研究員 (00570368)
河野 雅和 香川大学, 医学部, 教授 (20153489)
野間 貴久 香川大学, 医学部附属病院, 講師 (20363202)
山下 洋一 香川大学, 医学部, 准教授 (80363208)
井町 仁美 香川大学, 医学部, 准教授 (80380187)
石原 靖大 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (80532689)
堀井 泰浩 香川大学, 医学部, 教授 (90423425)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管内皮細胞増殖因子 / 脂肪細胞 / n-3系長鎖必須脂肪酸 / Gタンパク質共役受容体120 / インターロイキン6 / アンジオテンシン受容体遮断薬 / PPAR-γ / 低酸素 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度には脂肪細胞による血管内皮細胞成長因子(VEGF-A)産生に対するω-3系脂肪酸の効果とその機序を詳査した。すなわち、成熟3T3-L1脂肪細胞にeicosapentaenoic acid (EPA)を投与すると、VEGF-AのmRNA発現、培養液中への分泌が増加した。この効果はGタンパク質共役受容体120 (GPR120)のsilencing、GPR120の下流の細胞内情報伝達系を構成するPKC、PI3 kinaseの阻害、またはPPAR-γの薬物的阻害によってそれぞれ抑制された。また、HEK293細胞にGPR120、PPAR-γの一方または両方を遺伝子導入したところ、EPAによるVEGF-Aの転写活性化作用は両者の同時発現下で最も増強された。さらに、GPR120遺伝子導入細胞では、EPAがPPAR-γのVEGF-Aプロモーター領域内のPPREへの結合を促進することが判った。以上より、EPAは脂肪細胞において、細胞膜上のGPR120/細胞内情報伝達系を介して、および核内受容体PPAR-γのリガンドとして直接的にVEGF-Aの転写を促進することが示された。 研究期間中の知見は次の通り。1) 肥満例における脂肪細胞ではNADPH oxidase (NOX)による酸化ストレスが増加、腫瘍抑制因子Arfによる緩和作用が不足している。2) 脂肪細胞に対してω-3系脂肪酸EPAとDHAは善玉サイトカインadiponectinの発現を維持しつつ炎症性サイトカインIL-6の遺伝子発現を抑制、ω-6系のアラキドン酸はadiponectinの発現を抑制し、IL-6の発現は促進する。3) NOXを抑制するangiotensin II receptor blockerは、脂肪細胞におけるVEGF-AおよびIL-6の発現を抑制する(論文化済み)。4) EPAは肥大脂肪細胞において、細胞膜上受容体GPR120と核内受容体であるPPAR-γへの結合により、間接的、直接的に、VEGF-Aの転写を促進する(論文化済み)。 以上の結果は、動脈粥状硬化巣の周囲の肥大・虚血下脂肪組織でのVEGF-Aを介した血管新生と病勢との関係および、それへの介入に資する価値ある新知見と考える。
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Research Products
(3 results)