2014 Fiscal Year Annual Research Report
持続性心房細動の機序の解析及び至適治療法についての検討
Project/Area Number |
24591061
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
山部 浩茂 熊本大学, 医学部附属病院, 教授 (20419641)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 心房細動 |
Outline of Annual Research Achievements |
心房細動に対する肺静脈隔離術後に、心房細動が持続するメカニズムを検討するため、左心房内にNon-contact Arrayを挿入し左心房内の興奮伝播を解析した。発作性心房細動と持続性心房細動で比較を行ったところ、発作性心房細動では肺静脈隔離後、Complex fractionated electrogram (CFAE) 領域はほぼ消失しており、左心房内の興奮は主に隔離された肺静脈周囲および僧坊弁輪部を旋回する興奮の組み合わせで維持されており、ほとんどがその後自然停止していた。一方、持続性心房細動においては肺静脈隔離後も左心房内にCFAE領域が残存しており、CFAE領域において、wave break、wave fusionを伴ったPivot伝導、機能的ブロックライン周囲をanchoringする興奮が認められ心房細動が維持されていることが明らかとなった。発作性心房細動では、肺静脈隔離のみで90%の症例で心房細動の停止が得られたのに対し、持続性心房細動では肺静脈隔離のみではほとんどが停止しなかった。しかし、持続性心房細動において、今回のマッピング所見に基づき、肺静脈隔離後にCFAE領域に対し高周波通電を行ったところ、CFAE領域でのdisorganized wave propagationは消失し、持続性心房細動の停止が79%で得られた。以上より心房細動の維持において、肺静脈隔離後もCFAE領域が重要な役割を果たしていることが明らかとなった。また、肺静脈隔離後も心房細動が持続する持続性心房細動において、CFAE領域に対する高周波通電が心房細動の停止に有用であることが示された。
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