2012 Fiscal Year Research-status Report
肥満に伴う血管内皮機能障害の新規メカニズム解明と臨床的検証
Project/Area Number |
24591063
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
山川 研 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00363664)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益崎 裕章 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00291899)
島袋 充生 徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (60271144)
比嘉 盛丈 琉球大学, 医学部, 非常勤講師 (70347152)
屋比久 浩市 琉球大学, 医学部附属病院, 講師 (70545748)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 血管内皮機能障害 / 動脈硬化 / 肥満 / メタボリックシンドローム |
Research Abstract |
1.未治療のメタボリックシンドローム患者111名を生活指導群とα-グリコシダーゼ阻害剤(α-GI)投与群に振り分け12週間観察したところ、α-GI投与群で有意な内臓脂肪量の減少と糖脂質代謝の指標の改善を認めた。α-GIの抗メタボリックシンドローム効果および抗肥満効果を指摘し、報告した(Int J Cardiol. 2012 Jun 19.) 2.高脂肪食負荷マウスにおいて玄米を混餌すると白米にくらべて視床下部の小胞体ストレスが減少し、高脂肪食の忌避効果を示すことを発見した。肥満症やメタボリックシンドロームにおける玄米食の有用性を示唆するものとして報告した(Diabetes. 61:3084-93, 2012)。 3.エイコサペンタエン酸(EPA)製剤による血管内皮機能の改善効果を検討するために、ヒト脂質異常症患者にEPA製剤を投与して血管内皮機能に影響する因子について検討した。EPA製剤投与によって前腕血管で測定した血管内皮機能の指標が改善した。EPA製剤は血圧や耐糖能、中性脂肪および血清コレステロール値など、血管内皮機能に関連する既知の代謝指標に影響しなかった。検討した範囲において、血中の脂肪酸組成の変化が血管内皮機能の改善度と相関していた。脂肪酸組成に対する介入が血管内皮機能障害を改善する可能性を提唱し報告した(Cardiol Res Pract. Epub 2012 Dec 26)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メタボリックシンドロームのモデル動物において、食の嗜好性の変化という新奇の介入の有用性について報告することができた。また、ヒトにおける既存の薬剤を用いた臨床研究で、メタボリックシンドロームにおける肥満や血管内皮機能障害の治療に関する報告も行った。
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Strategy for Future Research Activity |
メタボリックシンドロームにおける血管内皮機能障害の機序について、新しいモデル動物を用いた検討を行う。また、脂肪組織特異的にglucose-6-phospate dehydrogenaseを過剰発現するマウスにおける脂肪細胞機能異常に関する検討も今後行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験用試薬:700,000円 実験用消耗品:300,000円 実験動物購入費:270,000円 実験動物飼育管理費:550,000円(合計1,820,000円)
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] Brown rice and its component, γ-oryzanol, attenuate the preference for high-fat diet by decreasing hypothalamic endoplasmic reticulum stress in mice.2012
Author(s)
Kozuka C, Yabiku K, Sunagawa S, Ueda R, Taira S, Ohshiro H, Ikema T, Yamakawa K, Higa M, Tanaka H, Takayama C, Matsushita M, Oyadomari S, Shimabukuro M, Masuzaki H.
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Journal Title
Diabetes.
Volume: 61
Pages: 3084-93
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Eicosapentaenoic Acid supplementation changes Fatty Acid composition and corrects endothelial dysfunction in hyperlipidemic patients.2012
Author(s)
Yamakawa K, Shimabukuro M, Higa N, Asahi T, Ohba K, Arasaki O, Higa M, Oshiro Y, Yoshida H, Higa T, Saito T, Ueda S, Masuzaki H, Sata M.
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Journal Title
Cardiol Res Pract.
Volume: Epub
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] 玄米成分γ-オリザノールは視床下部小胞体ストレス抑制を介して高脂肪食嗜好性を軽減する2012
Author(s)
小塚 智沙代, 屋比久 浩市, 砂川 澄人, 植田 玲, 平良 伸一郎, 比嘉 盛丈, 池間 朋己, 山川 研, 高山 千利, 松下 正之, 親泊 政一, 島袋 充生, 益崎 裕章
Organizer
日本肥満学会
Place of Presentation
ホテルグランヴィア京都 京都府京都市
Year and Date
20121011-20121012
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[Presentation] 玄米による新規抗肥満・抗糖尿病効果 視床下部小胞体ストレス抑制を介した高脂肪食嗜好性の軽減2012
Author(s)
小塚 智沙代, 屋比久 浩市, 砂川 澄人, 平良 伸一郎, 植田 玲, 比嘉 盛丈, 池間 朋己, 山川 研, 高山 千利, 松下 正之, 親泊 政一, 島袋 充生, 益崎 裕章
Organizer
日本内分泌学会
Place of Presentation
北九州国際会議場 福岡県北九州市
Year and Date
20120928-20120928
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[Presentation] 動脈硬化を操る代謝シグナルネットワークの解明から治療へ 高尿酸血症と血管機能異常・動脈硬化2012
Author(s)
益崎 裕章, 山川 研, 岩渕 敬子, 屋比久 浩市, 砂川 澄人, 小塚 智沙代, 植田 玲, 平良 伸一郎, 池間 朋己, 比嘉 盛丈, 島袋 充生
Organizer
日本動脈硬化学会総会
Place of Presentation
ヒルトン福岡シーホーク 福岡県福岡市
Year and Date
20120720-20120720
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[Presentation] 医食同源 「食」のセンシングとメタボエイジング 日本屈指のメタボ県、沖縄から健康長寿復興を目指す食と新しい医療を考える2012
Author(s)
益崎 裕章, 小塚 智沙代, 屋比久 浩市, 平良 伸一郎, 砂川 澄人, 植田 玲, 大城 譲, 池間 朋己, 山川 研, 比嘉 盛丈, 島袋 充生
Organizer
日本抗加齢医学会
Place of Presentation
パシフィコ横浜 神奈川県横浜市
Year and Date
20120622-20120622