2013 Fiscal Year Research-status Report
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24591070
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
井上 健司 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80317388)
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Keywords | 全身性炎症反応症候群 / 体外循環 |
Research Abstract |
本年度の目標はカラム作成から動物実験へ移行することを目的としておりました。 【カラム作成】評価項目として以下の2点をあげました。1. PTX3固相プレートを用いたヒストン検出系による血清中でのリコンビナントヒストンの定量。2. PTX3固相磁性粒子の作成およびヒストンと反応性の評価。 まずPTX3とH3.1/H4構造のヒトヒストンリコンビナントを反応させると血清を希釈していっても結合率は落ちず、ヒストンとの反応阻害が発生することがわかりました。そこヒストンの量を0-1,000 ng/mLにまで4ポイント設定し同様の実験を行いましたが、血清 (10倍希釈)中においてもヒストンとの反応阻害が発生することがわかりました。非特異的結合を減らすためにビーズの特異性をあげることで対応を試みました。JSRライフサイエンス社の磁性粒子を用いヒストンリコンビナントおよびウシ胸腺由来ヒストンを用いて同様の実験を行いましたがやはりヒストンとの反応阻害が発生しました。そこで今度はPTX3固相プレートを用いたヒストン検出系を構築しました。種々のブロッキングバッファーを変えてできるだけ非特的なヒストンの吸着を抑えるよう工夫を施しましたがやはり反応阻害が発生しました。 【動物実験系】ラットの体外循環において最も難しいところは全身麻酔下にラットの大腿静脈、頸静脈にルートを確保してポンプを用いて安定的に体外循環を継続させることにありました。そこで同システムをすでに構築され論文発表されている順天堂大学医学部救急科射場利明教授に協力を依頼、すでにラットの体外循環モデルの構築を完了しております。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒストンの非特異的結合が予想以上に強い、もしくはヒストンの血中量が予想以上に多いこと(ただし、ヒストンに対する定量は現時点で特異性の高い抗体が市販されていないため実際のヒストン量測定は不可能です)がこのノイズの原因と考えます。当初はPTX3フラグメントの固定方法や反応バッファーがノイズの原因と考えていたためそこの改良に集中していたことが計画の遅延につながったと考えております。
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Strategy for Future Research Activity |
PTX3はN末端に特異的なドメインをもつ炎症反応性タンパクです。同部位のリコンビナントを磁性体、プレートなどに固相化したシステムを構築したのですが、非特異的吸着を抑制することができませんでした。そこでできるだけ特異性を増すべく、現在N末端部位をいくつかのパターンでサイズを削りヒストンとの結合性の高い部位の特定を行っております。非特異的結合を出来るだけ減らすため、短いセグメントをもったPTX3リコンビナントを用いて同様の実験に移りたいと考えます。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
動物の購入費、えさ代などが原因です。PTX3固相化カラム作成が遅れているため動物実験に移れないことにあります。 本研究の要でありますPTX3固相化カラム作成のため特異性の高いPTX3 N末端部位の同定を行いし次第動物実験に移りたいと考えます。
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