2014 Fiscal Year Annual Research Report
薬剤溶出ステントの遅発性ステント血栓症におよぼす血小板凝集能の影響の検討
Project/Area Number |
24591079
|
Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
大倉 宏之 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (30425136)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 清 川崎医科大学, 医学部, 教授 (60322583) [Withdrawn]
根石 陽二 川崎医科大学, 医学部, 講師 (80319946)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ステント血栓症 / クロピドグレル耐性 / 光干渉断層法 |
Outline of Annual Research Achievements |
血小板凝集能はVerifyNow assay systemによるP2Y12 reaction unit(PRU)で評価した。過去の報告に準じて、PRU≧230をクロピドグレル耐性と定義したところ、74例中24例(32%)がクロピドグレル耐性であった。クロピドグレル耐性例は非耐性例と比較して、高齢で女性の比率が高く、急性冠症候群や高血圧の頻度が高かった。病変背景や使用ステントには両群間に差を認めなかった。OCTにより慢性期のステント留置部を評価した。クロピドグレル耐性例と非耐性例の間には内腔断面積、ステント断面積、新生内膜断面積に差を認めなかった。ステント内血栓はクロピドグレル耐性例の50ステント中9ステントに認められた。一方、クロピドグレル非耐性例では102ステント中4ステントにステント内血栓が認められた(18 % vs. 4 %, P<0.05)。患者毎の比較では、クロピドグレル耐性例24例中6例(25 %)に一カ所以上のステント内血栓が認められたのに対して、非耐性例では50例中3例(6 %)のみにステント内血栓が認められた(P<0.05)。クロピドグレル耐性例と非耐性例の間にはステント血栓症(0% vs. 0%)や死亡(0% vs. 0%)、心筋梗塞(0% vs. 0%)の頻度に差を認めなかった。以上より、結論として薬剤溶出性ステント留置後にクロピドグレルを含む抗血小板薬に剤併用両方中の症例において、血小板凝集能により評価したクロピドグレル耐性はステント内血栓形成と係っていることが示唆された。このことが、臨床的に問題となるステント血栓症や心筋梗塞、死亡との関わりについてはさらに多数例での検証が必要である。
|
Research Products
(3 results)