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2012 Fiscal Year Research-status Report

動脈硬化形成における生体内ストレス応答調節機構の解明

Research Project

Project/Area Number 24591107
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

石垣 泰  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (50375002)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 澤田 正二郎  東北大学, 大学病院, 助教 (60509420)
高 俊弘  東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (70455781)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywords動脈硬化
Research Abstract

本研究の目的は、動脈硬化の形成における、小胞体ストレス応答や炎症反応、酸化ストレス反応といった生体内反応が相互に影響を及ぼしあうことの重要性を、その調節メカニズムも含めて詳細に検討することである。初年度である平成24年度は、これまでに得られた予備実験のデータを基に、実験回数を増やし表現型を確認することから始めた。
まず8週齢のWFS1欠損マウスを用いて、片側の大腿動脈にカフ傷害を施し、3週間後に同部位の動脈を採取、内膜の肥厚度の検討や免疫組織学的検討を行ったところ、WFS1欠損群で有意に肥厚が増大していた。また、カフ留置部位の血管からmRNAを抽出し、炎症反応や小胞体ストレス、酸化ストレス応答に関連した分子の発現を検討したところ、同部位における動脈硬化惹起性の分子の発現が増強していることが確認された。以上から、WFS1を欠損することで、炎症に由来する血管リモデリングが増強され、血管病変の進展を増悪する方向に作用していることが示唆された。次に、高コレステロール食を負荷したWFS1・アポE二重欠損マウスを作成し、粥状動脈硬化におけるWFS1の役割を検討した。大動脈全体の内面を脂肪染色を用いて動脈硬化病変を定量化したところ、20週齢を過ぎた時点からWFS1欠損群で著しい動脈硬化の進展を認めた。
次に、in vivoでの検討では、反応の因果関係を含め詳細な分子メカニズムを明らかにするのは難しいため、動脈硬化形成に強く関与しているMφや血管内皮、平滑筋の各培養細胞を用いて様々な検討を行った。siRNAの手法を用いてWFS1をノックダウンしたところ、各種培養細胞における酸化ストレスや炎症反応、小胞体ストレス反応が増悪する傾向を認め、やはりWFS1は血管保護的に作用している可能性が、培養細胞レベルでも示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

交付申請書に記載した研究目的は、おおむね順調に達成していると判断している。
以前から行っていた予備実験で得られている傾向を、30-40匹を用いた検討で傾向を確認することができ、仮説に自信を持って研究を進めることができる。カフ傷害を施す検討は、安定した結果を得るためには、手技に習熟することが肝要であるが、繰り返し実験を行うことで実験に信頼性をすでに確保している。また申請時には既にWFS1・アポE二重欠損マウスは完成していたが、粥状動脈硬化の検討は半年前後を要するため、結果が得られるのに時間を要する。この点に関しても、該当年度の後半から解析が可能となり結果が得られている。次年度以降はさらに解析可能な検体が増え、データを蓄積していけるものと考えている。

Strategy for Future Research Activity

次年度は、カフ傷害と粥状動脈硬化モデルで得られた結果をもとに、動脈硬化におけるWFS1の役割をさらに詳細に検討していきたいと考えている。具体的には、骨髄移植を行い、血球のみWFS1欠損、あるいは血球以外の細胞がWFS1欠損となるモデルを作成したい。骨髄移植後のマウスにカフ傷害や粥状動脈硬化の検討を行うことで、血球細胞あるいは血管細胞のいずれの細胞中のWFS1が反応性内膜肥厚や粥状動脈硬化形成に寄与しているか検討できると考えている。
また培養細胞レベルでも、WFS1欠損マウスから採取した腹腔Mφを、血管内皮細胞と共に培養することで、MφのWFS1が血管内皮に対してどのような作用を及ぼしているか、接触共培養とトランスウェルを用いた非接触共培養の条件で検討する予定である。また孔の大きなトランスウェルを用いることで、Mφの遊走と小胞体ストレス応答の関係についても検討したいと考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

URL: 

Published: 2014-07-24  

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