2013 Fiscal Year Research-status Report
心臓線維化における、内皮間葉移行現象の分子機序の解明
Project/Area Number |
24591113
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
岡本 隆二 三重大学, 医学部附属病院, 助教 (60378346)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正明 三重大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (00223181)
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Keywords | 心臓線維化 / 心肥大 / 内皮間葉移行現象 / TGFβ / Rhoキナーゼ |
Research Abstract |
心臓線維化における、内皮間葉移行の分子メカニズムを解明するために、内皮細胞でPECAM1(内皮細胞マーカー), αSMA(平滑筋アクチン)およびFSP1(線維芽細胞特異的タンパク質)の免疫染色を、マウスの疾患モデルおよび剖検心で行ったところ、FSP1のシグナルが弱く、またin vivoおよびin vitroにおいてもFSP1とPECAM1が重なる細胞は観察されなかった。剖検心では、PECAM1とαSMAの共発現をごく少数に認めるのみであった。PECAM1とFSP1の一致は認められなかった。このため使用するレポーターマウスを変更した。内皮間葉移行現象を解析するには、内皮細胞由来の細胞を経時的に追いかける必要があり、pTie2-CreマウスとROSA26-pCAG-lox-stop-lox tdTomatoマウスを交配させることで、内皮細胞由来の細胞をマーキングすることとした。このマウスをさらにpFSP1-EGFPマウスと交配させ、心筋梗塞モデルを作成し、tdTomatoおよびEGFPのシグナルが重なる部位を、共焦点顕微鏡を用いて検討を行なっている。さらに横行大動脈結紮モデルも並行して行い、線維芽細胞の伸展様式を解析する予定である。 一方、代表的な臓器線維化モデルである、尿管結紮モデルを1)Rhoキナーゼ1(ROCK1) KOマウス、2)Rhoキナーゼ2(ROCK2) KOマウス、3)野生型+ファスジル投与、4)野生型、の4群で行ったところ、2)=3)>1)>3)の順で線維化が少なかった。心筋梗塞モデルにおける心臓線維化も同様な傾向があり、現在、マクロファージの浸潤、CTGFの発現、酸化ストレス等の観点と、炎症・壊死・線維化の時相の2つの観点から4群間で相違があるのかを検討している。我々は、ROCK2とROCK1の違いを説明する分子としてFHL2を同定しており(論文1)、FHL2の関与の有無についても検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
海外および国内からのマウスのクリーニングに時間を要した。pTie2-Creマウス、ROSA26-pCAG-lox-stop-lox tdTomatoマウスおよびROCK1&2KOマウスの交配にも時間を要する。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き心筋梗塞モデルおよび横行大動脈結紮モデルを作成し、tdTomato(Tie2-Creで内皮細胞由来細胞を標識)とaSMAやEGFP(FSP1を標識)とどの時点、及びどの場所で一致するのか、経時的に病理標本を作製し、解析を行う。また、tdTomato陰性でEGFP陽性の細胞を間質および骨髄由来の線維芽細胞と判断し、その比を疾患モデルごとに検討する。 一方でROCK1およびROCK2欠損マウスと上記のマウスを交配中である。上記と同様に疾患モデルを作成し、野生型マウスと比べて、内皮間葉移行の頻度に違いがあるか検討を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
試薬等、当初予定していた金額より安価で購入できたため、残額が生じました。 次年度の消耗品購入の一部にあてる予定です。
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[Journal Article] Identification of bovine hibernation-specific protein complex and evidence of its regulation in fasting and aging.2013
Author(s)
Fujita S, Okamoto R, Taniguchi M, Ban-Tokuda T, Konishi K, Goto I, Yamamoto Y, Sugimoto K, Takamatsu N, Nakamura M, Shiraki K, Buechler C, Ito M.
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Journal Title
J Biochem.
Volume: 153
Pages: 453-461
DOI
Peer Reviewed
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