2013 Fiscal Year Research-status Report
先天免疫に関連した酸化ストレス消去酵素による新たな臓器障害抑制機序解明
Project/Area Number |
24591115
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
梅本 誠治 山口大学, 医学部附属病院, 准教授 (90263772)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 耕一 山口大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (00322248)
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Keywords | hypertension / Toll-like receptor 4 / MCP-1 / vascular remodeling / ecSOD / angiotensin |
Research Abstract |
アンジオテンシンIIは銅イオントランスポーターMenkes ATPase(ATP7A)を介して酸化ストレス消去系酵素extracellular superoxide dismutase(ecSOD)を亢進させて血管壁の酸化ストレスを増加させ,血管内皮機能低下と血管再構築に関与する重要な規定因子であることが報告された.われわれのこれまでの研究の結果,ATP7AとecSODは先天免疫に関与するToll-like receptor 4系にも制御され, アンジオテンシンII存在下で主に血管再構築に関与する可能性がある.本研究の目的は, Ang II負荷高血圧における酸化ストレス消去系とToll-like receptor 4の関係に着目してその分子病態を探索し,臓器障害の新たな進展調節機序の詳細を解明することである.現在これまでの研究成果を2編の英語論文にまとめ,再投稿を行ったが,多くのコメントがあったため,追加実験を行うとともに再投稿に向けて準備中である.具体的には,心臓,大動脈および腎臓組織を用い,免疫染色を用いて画像解析を行い蛋白発言の変化を半定量的に行ったが,それに加えてNF-kBの総蛋白量を含めてウエスタンブロット法でも解析を行い,免疫染色で得られたデータについて再度確認を行い,免疫染色で得られた結果と同様であることを確認した.さらに,AT1受容体をsiRNAで発現を抑制し,AT1受容体を介した細胞内シグナリングをブロックしてアンジオテンシンII負荷時の細胞内情報伝達系の反応の差異についても検討した.腎臓における糸球体硬化の病態についても検討し,AngIIはTLR4機能存在下でAT1受容体を介して糸球体内のNADPH oxidaseの発現を増加させて酸化ストレスを亢進し,炎症を惹起することで,糸球体硬化をさらに促進させる可能性があることを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
英語論文を2編学術雑誌に投稿したが多くの修正点を指摘され,それらについて追加実験を行った.現在再投稿に向けて論文の再校中である.さらに,腎臓における酸化ストレスとAT1受容体-TLR4系の連関に関する実験も現在推進中で,論文も投稿に向けて最終準備中である.
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度として現在心臓及び大動脈の酸化ストレスとAT1受容体-TLR4系の連関に関する2編の論文について改訂中である.これらの論文については研究成果を再投稿し,平成26年度中に成果を広く公表すべく鋭意努力を行っている.さらに,腎臓における酸化ストレスとAT1受容体-TLR4系の連関に関する実験も現在推進中で,論文も投稿に向けて最終準備中であるが,研究実施体制においてマンパワーが不足気味である.研究分担者と密にコミュニケーションを取りながら問題点について改善し,研究結果を得られるように善処する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究成果の一部をまとめて2編の英語論文として投稿したが,今後再投稿に際し査読によりさらに追加実験等必要になる場合も想定されることから,今後に備えて試薬・消耗品等の購入を控えたため,未使用額が生じた. 未使用額については,平成26年度の本研究に用いる物品費等にあわせて使用する.
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