2013 Fiscal Year Research-status Report
慢性閉塞性肺疾患の新しい治療法「栄養リハビリテーション」の構築
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24591124
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
塩谷 隆信 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90170852)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐竹 將宏 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (10250903)
佐野 正明 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30323140)
渡邊 博之 秋田大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (80323145)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患(COPD) / 栄養リハビリ / 運動療法 / 栄養療法 / 身体組成 |
Research Abstract |
本研究は,COPDにおいて,呼吸困難感を指標とする運動療法および抗炎症作用を有する補助食品を併用する栄養リハビリテーション(栄養リハビリ)の有用性を明らかにすることを目的とした.次に,包括的なプログラムを作成し,栄養リハビリによるCOPD患者における運動耐容能,健康関連QOL,ADLとの関連を明らかにすることを目的とした. 安定期COPD患者において,栄養リハビリとしての運動療法と栄養補給の併用効果を検証した.対象者に対して栄養補助療法と運動療法を12週間行い,介入前後に行った諸指標を比較検討した.評価項目は,3日間食事調査,身体組成測定,生化学検査,呼吸筋力ならびに大腿四頭筋筋力測定,6分間歩行距離試験,健康関連QOL(CRQ)である.食事調査は, 対象者に連続した3日間の食事内容を記入してもらい,その食事記録から摂取エネルギー量を算出した.%TSF,%AC,%AMCの算出は,日本人の新身体計測基準値(JARD2001)を基準とした.さらに,同データからCOPDの病期分類別の検討も行った.その結果,栄養療法および運動療法併群において,エネルギー充足率と%TSF,プレアルブミンが有意に増加した.COPDの病期分類別の比較では,軽中症群のFFMIが有意に増加し,重症群では体脂肪率が有意に増加しTNF-αが有意に減少した.本研究の結果,低強度運動と栄養補給の組み合わせは,経過中にエネルギー消費量増加と摂取量低下により体重減少を来すCOPD患者に対する有効な治療法であり,栄養リハビリの果たす役割が大きいことが示唆された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
安定期COPD患者において,身体組成の評価が正しく行なわれた.さらに,栄養リハビリである運動療法と栄養療法の併用療法についてのプログラムが完成した.現在,そのプログラムを実際にCOPD患者において実施中であり,一部においてその成果が確認されている.
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Strategy for Future Research Activity |
今後,COPD患者の対象者数をさらに増やして栄養リハビリを実施する.次に,その成績を対照群と比較して,安定期COPD患者における栄養リハビリの有用性の検証を行なう予定である.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成26年度に多施設における臨床研究を行なう予定であるために,次年度に予算を繰り越した. 自施設に加えて,多施設にも協力してもらい臨床研究を実施する予定である.栄養リハビリのプログラムの作成,実施にあたり,謝金,学会参加費,消耗品の購入に使用予定である.
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Research Products
(12 results)
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[Presentation] Effectiveness of new respiratory muscle training in patients with COPD2013
Author(s)
Ohkura, K, Kai, M, Kamwagoshi, A, Sugawara, K, Takahashi, H, Satake, M, Shioya, T.
Organizer
18th Congress of APSR
Place of Presentation
Yokohama, Japan
Year and Date
20131110-20131113
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[Presentation] Effect of home-based pulmonary rehabilitation on the time spent in active- and passive-walking time in elderly patients with COPD.2013
Author(s)
Kawagoshi, A, Miura, S, Kiyokawa, N, Sugawara, K, Takahashi, H, Sawamura, S, Sakata, S, Kashiwagura, T, Homma, M, Satake, M, Shioya, T.
Organizer
2013 Annual Meeting American Thoracic Society
Place of Presentation
Philadelphia, PN, USA
Year and Date
20130519-20130522
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[Presentation] Physcal activities in stable COPD patients with and without home oxygen therapy2013
Author(s)
Kaneko, N, Kawagoshi, A, Kiyokawa, N, Sugawara, K, Takahashi, H, Abe, R, Sakata, S, Shioya, T.
Organizer
2013 Annual Meeting American Thoracic Society
Place of Presentation
Philadelphia, PN, USA
Year and Date
20130519-20130522
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