2014 Fiscal Year Annual Research Report
腫瘍壊死因子スーパーファミリーLIGHTによる上皮間葉転換の機序の解明
Project/Area Number |
24591125
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山内 康宏 東京大学, 保健・健康推進本部, 助教 (00323585)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幸山 正 帝京大学, 医学部, 教授 (00302703)
城 大祐 東京大学, 学内共同利用施設等, 助教 (30376470)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 上皮間葉転換 / LIGHT/TNFSF14 / E-cadherin / Vimentin |
Outline of Annual Research Achievements |
重症喘息の気道炎症性病態に関与するLIGHT/TNFSF14分子が、気道上皮細胞において上皮間葉転換(EMT)に及ぼす影響や炎症性ケモカインの産生およびその機序に関して、検討を行ってきた。 まず気道上皮細胞におけるLIGHTのEMTへの影響について検討した。気道上皮細胞におけるTGF-β誘導性のEMTにおいて、LIGHTによりTGF-β誘導性のE-cadherinの抑制とVimentinの増加が促進され、形態学的にもEMTがLIGHTにより促進されることが判明した。さらに、LIGHT単独にてE-cadherinの発現が抑制され、Vimentinの発現が亢進し、EMTを誘導しうることが判明した。さらにLIGHTによるEMTではTGF-β-smad系の細胞内シグナル伝達経路を介さない、LIGHT-ERK系を介してEMTが誘導されることを明らかにした。加えてLIGHTによるEMTにおいても、間葉系細胞としての機能的な収縮能を獲得していることを確認した。 またLIGHTによる気道上皮細胞におけるサイトカイン・ケモカインへの影響について検討した。サイトカインアレイによりLIGHTは気道上皮細胞においてIL-6, oncostatin M, MCP-1, GRO やIL-8の産生を誘導することが判明した。加えて気道上皮細胞(BEAS-2B)におけるLIGHTの受容体であるHVEMとLTβRの発現に関して評価したところ、LTβRの発現が有意であることが判明したので、LTβR-siRNAを用いてLIGHTの受容体をknock-downしたところ、IL-6やIL-8の産生が抑制された。さらに、LIGHTによるLTβRの下流のシグナル伝達経路を評価すると、Erk およびNFkBを介した炎症性サイトカイン・ケモカインの産生であることが判明した。 以上の結果より、LIGHT/TNFSF14は気道上皮細胞において、EMTを介してリモデリングに関与している可能性と共に、炎症性サイトカインの産生を介して、重症喘息に関与している可能性が示唆され、分子標的な治療targetの候補として期待できると考えられる。
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Research Products
(2 results)