2012 Fiscal Year Research-status Report
mTOR関連細胞生存シグナルの制御による慢性閉塞性肺疾患発症およびその機序の解明
Project/Area Number |
24591127
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
安尾 将法 信州大学, 医学部附属病院, 助教 (20402117)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花岡 正幸 信州大学, 医学部, 准教授 (20334899)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 肺気腫 / 病因 / 動物モデル |
Research Abstract |
H24年度はラットにmTOR阻害薬を用いて肺気腫様変化が作成されうるか、またその至適用量および期間を決定することを主目的に実験を行った。mTOR阻害薬としてSirolimusを用いた。投与量は同薬を用いた小動物実験の既報を参考とし2mg/kg, 6mg/kgで行った。投与方法は腹腔内注射とし、薬剤の半減期を考慮し投与は6日/週で行った。ラットは通常のSDラット(雄性)を用いた。この第一回目の検討では、2mg/kg, 6mg/kgのいずれも気腔の拡大を生じていた。この気腔の拡大は投与量による差異をあまり認めないため、至適投与量は2mg/kgに決定した。ここまでの検討で一つ問題点が生じた。HE染色におけるSirolimus投与ラット肺に気腔の拡大は確かにみられるが、肺内に炎症細胞浸潤と思われる円形細胞の浸潤が斑状に分布している所見が見られたのである。そこでこの細胞浸潤の正体が何であるのかを検討するために、免疫組織化学的検討を行った。具体的にはCD3, CD20, CD163, vWF, TTF-1の免疫染色を行った。この結果、集簇している細胞はCD3陽性細胞、すなわちT細胞であり、またその集簇は肺内の小血管周囲が中心であることが判明した。 次に投与期間を決定するため、3,6,12週の3期間を作成した。それぞれ、コントロール投与群含め、順にn=5, 5, 4ずつ作成した。結果は12週間にわたって気腔の拡大は形成されるが、気腔の拡大自体は、未だ定量評価は行っていないが、6Wと12Wで著変無いように思われた。また血管周囲への細胞の集簇は週数を経るにしたがって肺全体に分布するように思われた。H24年度に行った検討はここまでであり、概ね予定通りの進捗状況である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の主目的であった、モデル作成のための至適投与量と期間の検討は達成できたため、おおむね順調に進展していると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度に作成し、保存してあるラット肺新鮮凍結標本を用いて、肺組織の細胞質、核の蛋白抽出を行う。この抽出液を用いて、研究計画で予想したHIF-1α-VEGF-Akt経路がmTOR阻害薬(Sirolimus)投与によってどのように影響を受けているのかについて検討する。これまでに我々を含め報告のあるHIF-1α-VEGF低下を介する肺気腫動物モデルは炎症細胞の浸潤を伴わないモデルであったが、Sirolimus投与ラット肺は予想以上に炎症細胞の浸潤傾向が顕著であったため、気腔の拡大が第一義なのか、それともSirolimusによる薬剤性肺障害のような現象が起こっているのかについても確認する必要があると考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし。
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