2014 Fiscal Year Annual Research Report
B7-H1発現の薬物的制御によるCOPD・喘息の増悪の治療を目指す基盤研究
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24591132
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松元 幸一郎 九州大学, 大学病院, 講師 (60325462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福山 聡 九州大学, 大学病院, 助教 (50380530)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | COPD / 気管支喘息 / B7-H1 / PD-L1 / 低分子化合物 |
Outline of Annual Research Achievements |
B7-H1(別名PD-L1)はウィルスが感染した細胞に発現が誘導され、抗ウィルス性CD8Tリンパ球の活性化を阻害することで抗ウィルス免疫作用を減弱させる。この発現機序を解明することでウィルス感染の遷延化を頓挫させる治療戦略が期待できる。我々はヒト気道上皮培養株BEAS-2Bを合成2本鎖RNAであるpoly ICあるいは呼吸器合胞体ウィルス(RSV)で刺激することによってB7-H1発現を誘導させる実験系を使用し、その発現がステロイドと長時間作用型beta2刺激剤の併用によって抑制されることを明らかにした。さらにPI3-kinase阻害剤の影響を検討した。poly IC刺激によるB7-H1発現誘導は選択的PI3-kinase-delta阻害剤で阻害された。Western blottingによってBEAS-2B細胞におけるPI3-kinase-delta蛋白発現を認め、その蛋白発言はPI3-kinase-deltaに対するsiRNA処置で抑制され、B7-H1発現も部分的に抑制された。poly IC刺激によるB7-H1発現誘導にはキサンチンオキシダーゼ系活性化によるオキシダント産生とPI3-kinase-delta活性化が関与することが明らかになった。さらに、マウスのpoly IC気管内投与による気道炎症モデルを確立し、PI3-kinase-delta阻害剤のin vivoでの効果検証を試みた。poly IC気管内投与により肺構成細胞におけるB7-H1発現の増強がみられ、これはPI3-kinase-delta阻害剤の気管内投与により抑制する傾向がみられた。この抑制作用はステロイド薬との併用によって増強した。また、卵白アルブミンを抗原とするマウス喘息モデルにおいて抗原暴露相でのB7-H1発現動態を検討し、poly IC投与による増悪の解析モデルの開発に着手した。
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