2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24591141
|
Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
権 寧博 日本大学, 医学部, 准教授 (80339316)
|
Keywords | バリア機能 / 気道上皮 / 気管支喘息 |
Research Abstract |
本研究の目的は、気道の上皮バリア形成に関わる分子を同定し、上皮バリア形成のメカニズムを明らかにすることにある。また、気管支喘息における上皮バリアの脆弱化のメカニズムの解明と、上皮バリアを安定化し粘膜免疫を制御する新たな気道炎症の治療法の開発を目指している。これまでに我々は、気道上皮のバリア形成・維持に係る分子のスクリーニング法を確立し、上皮バリアの形成に重要な分子を同定し報告してきた。しかし、これら遺伝子を制御する基本的なメカニズムについては、未だ不明な点が多く残されている。本年度の研究において、microRNAの気道上皮分化に伴う発現の変動と、これらが、バリア機能の及ぼす影響を明らかにするために検討を行った。In vitroにおいて、気道上皮細胞のバリア形成過程で、バリア機能に伴い上昇するmicro RNAをGenechipで解析した。Micro RNAのうち、Mir-155pがバリア機能に従って上昇することが観察された。MicroRNAの機能は遺伝子発現の抑制にあると考えられているが、Mir-155pがバリア機能に抑制的に作用しているのか、促進的に作用しているかを検討した。Mir-155の機能を有する核酸試薬を細胞に導入したところ、上皮バリア形成が著しく抑制されることが観察された。以上のことから、Mir-155には上皮バリアを抑制する作用があることが分かった。二本鎖RNAは、気道上皮のバリア機能をTLR3依存性に著しく抑制するが、dsRNAの気道上皮への刺激は、Mir 155を濃度依存性に促進することが明らかになった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね、順調に進行していると考えている。細胞培養モデルを用いた実験と、これを解析するための網羅的解析手法が確立したことにより、上皮のバリア機能に係わる多くの遺伝子を抽出することが出来るようになったためと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究計画書では、得られたバリア機能の抑制分子、促進分子の遺伝子発現を調節することを来年度の目標としていたが、その具体的な方法としてmicroRNAによる遺伝子制御に重点を置いて研究を行うことを考えている。今年度は、バリア機能が関係する気管支喘息のマウス喘息モデルへのmicroRNA投与効果を検討し、核酸治療としての応用性を探る。
|
-
-
-
-
-
-
-
[Presentation] PCDH1, An AHR Susceptibility Gene, Promotes Epithelial Barrier Integrity And Is Induced By Glucocorticoids In The Human Airway.2013
Author(s)
Gon Y, Kozu Y, Maruoka S, Sekiyama A, Terakado M, Tsuboi E, Takeshita I, Hashimoto S.
Organizer
American Thoracic Society International Conference
Place of Presentation
Philadelphia,USA
Year and Date
20130517-20130522
-
-
-