2012 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮前駆細胞に注目した肺気腫病変と肺気腫合併肺高血圧の病態解析
Project/Area Number |
24591144
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
水野 史朗 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (80397281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 喫煙 / 血管内皮前駆細胞 / p53 |
Research Abstract |
金沢医科大学呼吸器内科、福井大学呼吸器内科において呼吸機能検査と胸部CTを施行した喫煙歴を有する約250名の研究協力に同意を得られた患者より得られた検体より抽出したDNA遺伝子より、PCR-RFLP法によりHIF-1α (rs11549465, rs11549467), VEGF (rs3025039), p53 (rs1042522), IL-6 (rs1800795)の検討を行った。同遺伝子群多型と胸部CTから得られた気腫化(%LAA)を比較検討したところ、p53 codon 72のC/G変異において、G変異で有意な気腫化病変を有する患者群の上昇を認めたため、p53関連遺伝子であるMDM2 SNP309, p27, p21遺伝子の追加検討を行ったところ、MDM2 SNP309のG/T変異でT変異で有意に気腫化病変の亢進群を認めた。 上記検討により、MDM2 SNP309遺伝子多型により喫煙刺激でのp53蛋白産生が肺内で変化する可能性があり、またp53 codon 72のC/G変異により肺細胞のアポトーシスが亢進する可能性が示唆されたため、p53またMDM2遺伝子の多型を有するプラスミドを作成した。現在、同プラスミドを培養肺細胞に導入し同遺伝子の多型による機能解析を行っている。 また、次年度は更なる患者群の検討とCOPD患者における血管増殖因子と肺気腫・気腫合併肺高血圧症との関連の検討として同遺伝子採血患者から採取保存してあるPaxgene RNA採血管より血中ECP遺伝子の検討をLightCyclerを用いたrealtime RT-PCRによる解析も開始している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では同意を得られた患者数の収集が最も困難であるが、検討開始後順調に増加しており、来年度中には目標数以上に達することが想定されるため。
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Strategy for Future Research Activity |
血管増殖因子遺伝子多型と肺気腫/肺気腫合併肺高血圧症との関連の検討を主に行う予定であり、肺の気腫化(%LAA)の評価: 胸部HRCT画像のDICOMデータより%LAAを測定し 、肺内の気腫化の程度により患者群の肺気腫の程度を評価し、CEP関連遺伝子の発現:Paxgene RNA採血管よりRNAを抽出し、逆転写酵素を用いてcDNAを作成し、CEPのmarkerであるVEGFR-1, VEGFR-2, CD133, vWF, PECAM-1, CD34, CD144のmRNAの発現をreal-time RT-PCRにて測定する。測定したCEP関連遺伝子の発現値よりCEP低下群とCEP上昇群に分類し、各群間での%LAAの値を検討しCEP遺伝子と肺気腫化病変との関連を検討する。 また、患者群において右心不全を合併している群を抽出し、肺高血圧合併群と同程度の呼吸機能を有する肺高血圧非合併群との遺伝子発現の比較検討も行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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