2013 Fiscal Year Research-status Report
血管内皮前駆細胞に注目した肺気腫病変と肺気腫合併肺高血圧の病態解析
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24591144
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Research Institution | Kanazawa Medical University |
Principal Investigator |
水野 史朗 金沢医科大学, 医学部, 准教授 (80397281)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石崎 武志 福井大学, 医学部, 教授 (80151364)
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Keywords | 慢性閉塞性肺疾患 / 喫煙 / 血管内皮前駆細胞 / p53 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、金沢医科大学呼吸器内科、福井大学呼吸器内科において呼吸機能検査と胸部CTを施行した喫煙歴を有する約350名の患者血液より抽出したDNAよりPCR-RFLP法によりp53(rs1042522)、MDM2(rs2279744)多型の検討を行った。同遺伝子多型群と胸部CTより計測された気腫化(%LAA)を比較した結果、p53遺伝子多型でG変異がC変異に比し、MDM2遺伝子多型でT変異がG変異に比し有意に%LAA値の上昇が認められた。 上記検討から、p53遺伝子多型とMDM2遺伝子多型を組み込んだプラスミドを作成し、A549細胞とCR5803細胞に遺伝子導入を行い、p53遺伝子強発現状態での細胞増殖とアポトーシス因子の発現をMTS法とCaspase-3蛋白発現の検討、MDM2プロモーター活性をルシフェラーゼ法により評価したところ、p53遺伝子多型のG変異でC変異に比し、有為な細胞増殖抑制効果が認められ、MDM2プロモーター活性はT変異でG変異に比し、有意に低下が認められた、p53・MDM2遺伝子多型によるp53蛋白の機能変化が生ずる可能性が示唆され、肺細胞でのアポトーシス、ひいては気腫化に影響を与えている可能性が示唆された。 また、現在は更なる患者群の検討と、COPD患者における血管増殖因子と肺気腫・肺高血圧症との関連の検討として、同患者群からPaxgene RNA採血管により凍結保存してある末梢血からRNAを抽出し、cDNAを作成、LightCyclerを用いたRT-PCRによる血中ECP遺伝子の検討が進行中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
同意患者からのサンプル数は順調に増加しており、目標の300症例を超えて進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
患者サンプルから抽出されたECP関連遺伝子発現の検討と患者背景のサブ解析を行い、気腫化(%LAA)とECP関連遺伝子、治療内容・呼吸状態・肺高血圧の合併の有無などとの詳細な比較検討を行う予定である。
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