2014 Fiscal Year Annual Research Report
ガンマセクレターゼインヒビターとABTー737併用治療に関する検討
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24591146
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
榊原 純(小西純) 北海道大学, 大学病院, 助教 (50374278)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木下 一郎 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (40343008)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 併用治療効果 / Notch / Bim |
Outline of Annual Research Achievements |
Nothc発現非小細胞肺癌細胞(NSCLC)株(H460, H1793, HCC2429, A549)においてγセクレターゼインヒビター(GSI)とBcl-2 inhibitorであるABT-737はin vitroにおいてMTT assayでそれぞれが濃度依存性に腫瘍増殖抑制効果を示した。さらに両者の併用治療はisobologlamを用いて相乗的な併用効果を認めた。一方でNotch発現のないH1395においてはGSI単独治療ではIC50が非常に高く、GSIとAT-737の併用において相加的な併用効果は認めたものの相乗的な治療効果は認めず、併用効果はNotchの発現と相関していることが示唆された。併用治療によりアポトーシスが単独治療と比較してより強く誘導されPARPの発現もより上昇していた。さらに併用治療によってBimの発現の増強を認め、Bim siRNAを用いて併用治療によって増強したBimの発現を抑制するとアポトーシス細胞数は減少し併用効果はBim依存的であった。 ヌードマウスを用いてH460,H1793を皮下注射しゼノグラフとマウスモデルを作成し、コントロール、GSI、ABT-737、併用治療群に分けて投与を行い腫瘍サイズを計測したところコントロールと比較して治療群は有意に腫瘍増殖を抑制し、さらに併用治療は単独治療と比べてさらに腫瘍サイズの縮小を認めた。治療中マウスには体重減少など認められず重篤な副作用はなかった。 以上の結果においてGSIとABT-737の併用治療はNotc発現細胞に対してin vitro in vivoともに治療効果を認め今後のNSCLC治療の選択肢の一つになりえる可能性が示された。
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