2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24591148
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 充啓 東北大学, 大学病院, 助教 (00396483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保 裕司 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20332504)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 組織固有幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
最近の報告に、成人肺では肺胞上皮幹細胞はSPCを発現していない細胞群に存在するという報告があった。そこで我々はSPC-rtTA & TRE-H2BGFPマウスにドキシサイクリン(DOX)を胎生6.5日から生後1日まで投与し、胎生期にSPC陽性である細胞をラベリングした場合と生後2週間から8週間までDOXを投与し、生後にSPC陽性細胞をラベリングした場合のLRC細胞を分離し、増殖能、コロニー形成率について検討した。 成体期LRCは胎生期LRCに比べ、増殖能、コロニー形成率が有意に低く、また成体期H2B-GFPlow 細胞に比しても増殖能、コロニー形成率が有意であるも若干上昇しているのみであった。フローサイトメトリーにて上皮幹細胞マーカー候補分子(Sca-1, CD34, CD90, c-kit, CD24, alpha-6-integrin, beta-4-integrin)の発現についても解析を行ったが、成体期LRCは胎生期LRCと異なり、beta-4-integrinの発現は有意に上昇しておらず、一方、Sca-1の発現が有意に上昇していた。細胞内の局在に関しては、胎生期LRCおよび成体期LRCともに肺胞領域に存在していた。これらの結果は、成体期LRCは胎生期LRCとは異なる細胞集団であることを示唆し、肺胞上皮幹細胞の起源となる細胞は胎生期にはSPCを発現しているものの、成体期ではSPCの発現を失っている細胞集団である可能性が示唆された。 胎生期における肺の発生に関する研究報告でも、肺原基の末端に存在するSPC陽性の肺原基細胞が中枢側に移動・各種細胞に分化するに従い、SPCの発現を消失することが指摘されており、成体期に存在する肺胞上皮幹細胞も、肺の発生に伴い、SPCの発現を失っているという今回の研究結果は既存の肺の発生の報告にも合致する結果と考えられた。
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