2015 Fiscal Year Annual Research Report
新規生理活性物質SCGB3A2の肺線維症治療薬としての応用を目指した基盤研究
Project/Area Number |
24591151
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
黒谷 玲子 山形大学, 理工学研究科, 准教授 (00453043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 宏之 山形大学, 理工学研究科, 教授 (10375199)
柴田 陽光 山形大学, 医学部, 講師 (60333978)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | SCGB3A2 / 肺線維症 |
Outline of Annual Research Achievements |
新規生理活性物質セクレトグロビン(SCGB)3A2は、肺炎や肺線維症を改善することが明らかになっている。肺線維症は、細胞のダメージ、炎症、コラーゲン沈着を経て重症化する。そこで、本研究では、SCGB3A2の肺線維症治療薬としての有効性を検証するために、Scgb3a2遺伝子改変マウス(欠損;KO, 肺特異的過剰発現マウス;TG)と野生型マウス(WT)に対し、ブレオマイシン(BLM)で肺線維症を誘導させた時の組織学的解析とトレッドミルによる呼吸機能評価を行った。 BLM投与後3週間の体重の変動は実験開始時に比べWT、KO、TGマウスでそれぞれ約8%、約25%、約27%減少した。PBSを投与した群では、全ての系統のマウス体重は実験開始時より約9%増加した。BLM投与後3週目のWT、KO、TGマウス肺での線維化は、KOマウスで最も悪化し、線維化領域の範囲が増加した。予想に反し、TGマウス肺での線維化もWTマウスにBLMを投与した時に比べて悪化した。しかしながら、BLM投与後6週以降に組織学的解析を行ったところ、TGマウス肺ではWTマウス肺と比較して、明らかに線維化が改善された。トレッドミルによる走行実験の結果、WTマウスのPBS投与群では、走行距離は1065mであったのに対し、BLM投与群では730mに減少した。これに対し、KOマウスでは、PBS投与群では653m、BLM投与群では432mであり、TGマウスはBLM投与による走行距離への影響は認められなかった。 本研究によって、SCGB3A2は肺線維症の治療薬としての有効性が高いことが示された。
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Research Products
(8 results)