2013 Fiscal Year Research-status Report
臨床応用へ向けた結核患者における細胞性免疫誘導型樹状細胞ワクチンの免疫応答の解析
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24591160
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
中村 祐太郎 浜松医科大学, 医学部附属病院, 講師 (60436962)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須田 隆文 浜松医科大学, 医学部, 教授 (30291397)
永田 年 浜松医科大学, 医学部, 教授 (90275024)
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Keywords | 樹状細胞 / ワクチン / 結核症 |
Research Abstract |
結核は人類最大の感染症であり,未だ甚大な健康被害を与え続けている.一方樹状細胞(Dendritic Cell:DC)を介した細胞性免疫は抗腫瘍免疫および結核などの感染免疫誘導に必須の生体反応である.申請者らは効率的に優れた細胞性免疫をきたす細胞性免疫誘導型DCワクチンが癌領域において極めて有望なワクチンであることを確認,報告してきた.更に最近,動物モデルにおいて本ワクチンが結核と同じ細胞内寄生菌にも非常に有効であることを確認した.本研究は,細胞免疫誘導型DCワクチンの結核患者血液における免疫応答を解析することにより,ヒトの結核に対する予防及び治療ワクチンとしての研究基盤を確立することが目的である. 本ワクチンに対して結核患者の血液が,体外にて良好に免疫応答を来すことが証明されれば,多剤耐性結核などの患者に対する,有望な予防および治療ワクチンの開発に直接結びつけることができる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
健常者からインフォームド・コンセントを行い書面にて同意を得た上で30mlのヘパリン採血を行い,単核球をPercollおよびCD14+磁気ビーズにて分離した.GM-CSFとIL-4で6日間培養しDCへと培養,6日目に細胞性免疫誘導型DCを誘導するため,TNF-alpha,IL-1beta, IFN-alpha, IFNgamma, Poly-I:C(Cancer Res 2004, J immunol 2008, J Clin Oncl 2011)を添加,2日間培養した.一方通常型DCとしてTNF-alpha,PGE2,IL-1beta, IL-6を添加,同様に2日間培養,双方のDCをフローサイトメトリーにて表面抗原(CD40,CD80,CD83,CD86)の発現を確認した.その結果,表面抗原の発現に差は認められなかった.その後CD40Lを発現させたL細胞(マウス線維芽細胞)で24時間刺激,上清を回収しELISA法にてIL-12p70の産生を測定し双方の比較を行った.その結果,TNF-alpha,IL-1beta, IFN-alpha, IFNgamma, Poly-I:Cにて培養した樹状細胞で有意に多量のIL-12p70の産生が認められた. 現在は,上記で得られた樹状細胞が有効に細胞性免疫の誘導をきたすことが可能であるかを確認するため,以下の実験を行っている.上記の如く患者血液からPercollにてリンパ球分画を分離し,CD8+T細胞を磁気ビーズにて分離,抗原(ESAT-6)存在下または非存在下にて24時間細胞性免疫誘導型DCまたは通常型DCとともに培養し,7日および14日目に再刺激する.24日目に抗原特異的なIFNgammaの産生をELISPOT法で行っている.その結果,明らかなIFNgammaの産生能の上昇が確認されており,引き続き再現実験を行っている. 計画に比べ遅れている理由としては,結核の患者からの採血が,遅れたこと.また,手技的に安定しなかっことが上げられる.しかし,現時点では安定し,良好に培養を継続できていることから,今後研究が進展することが十分に見込まれる.
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Strategy for Future Research Activity |
上記の如く現在,患者血液からのリンパ球分画の分離を行い,細胞性免疫誘導型DCまたは通常型DCとESAT-6のもとに培養し,抗原特異的なIFNgammaの産生能をELISPOT法で,再現実験を施行中である.本実験において,有意差を確認できれば,その後は多剤耐性結核患者の血液および明らかな免疫不全を伴う結核患者での同様の免疫応答を解析し,臨床データ(免疫不全の程度)との比較検討を行い,学会発表及び英文誌への投稿を予定している.
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Toll-like receptor-mediated airway IL-17C enhances epithelial host defense in an autocrine/paracrine manner.2014
Author(s)
Kusagaya H, Fujisawa T, Yamanaka K, Mori K, Hashimoto D, Enomoto N, Inui N, Nakamura Y, Wu R, Maekawa M, Suda T, Chida K.
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Journal Title
Am J Respir Cell Mol Biol
Volume: 50(1)
Pages: 30-9
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Acute exacerbation in rheumatoid arthritis-associated interstitial lung disease: a retrospective case control study.2013
Author(s)
Hozumi H, Nakamura Y, Johkoh T, Sumikawa H, Colby TV, Kono M, Hashimoto D, Enomoto N, Fujisawa T, Inui N, Suda T, Chida K.
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Journal Title
BMJ open
Volume: 13;3(9)
Pages: e003132
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Amount of elastic fibers predicts prognosis of idiopathic pulmonary fibrosis.2013
Author(s)
Enomoto N, Suda T, Kono M, Kaida Y, Hashimoto D, Fujisawa T, Inui N, Nakamura Y, Imokawa S, Funai K, Chida K.
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Journal Title
Respir Med
Volume: 107(10)
Pages: 1608-16
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Biopy-Proven Rheumatoid Lung Disease : Relationship between Histopathologic Features and Mortality2013
Author(s)
Nakamura Y, Suda T, Kono M, Hozumi H, Hashimoto D, Enomoto N, Fujisawa T, Inui N, Imokawa S, Yasuda K, Shirai T, Colby TV, Chida K
Organizer
109 th American Thoracic Society International Conference
Place of Presentation
Philadelphia
Year and Date
20130519-20130522