2013 Fiscal Year Research-status Report
肺損傷と線維化におけるエクソソームを介する情報伝達の意義
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24591178
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
桑野 和善 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (40205266)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 勝敏 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40321989)
荒屋 潤 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (90468679)
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Keywords | エクソソーム / micro RNA / 細胞老化 / オートファジー / 呼吸器疾患 |
Research Abstract |
(目的)COPDおよびIPFの病態におけるエクソソームを利用したmiRNA、mRNAの作用を明らかにする。(方法および結果)臨床経過および画像所見よりCOPDもしくはIPFと診断された患者より気管支肺胞洗浄液(BALF液)を採取し、超遠心による分離回収法を用いてexosomeを回収した。回収したexosomeにおいて、exosome markerであるCD81およびCD9(date not shown)におけるWestern blot法によりexosome発現量を評価した。BALF液中におけるexosomeは、臨床サンプルによる個体差はあるものの、十分に解析可能なexosomeが回収可能であった。また、ヒト肺手術検体より分離培養した気道上皮細胞(human bronchial epithelial cell: HBEC)タバコ煙水抽出液(cigarette smoke extract:CSE)による細胞老化の誘導を行った。各細胞培養上精を回収し、Exosomal microRNAの網羅的解析目的にてmiRNA microarray(Agilent Technologies)解析を施行した。アレイ解析の結果ではCSE非投与群と比較してCSE刺激群にて発現が上昇(Fold change>1.5)していたmiRNAは14種類、発現が減少(Fold change<1.5)していたmiRNAは45種類において統計学的な有意差を認めた。これらのmiRNAをヒト気道上皮細胞株であるBEAS-2Bにtransfectionを行い、老化関連シグナルであるp21およびp16の発現解析をWestern blot法により検討を行い複数のmiRNAは細胞老化を誘導した。(重要性)呼吸器老化疾患におけるexosomeの細胞間コミニュケーションにおける役割を究明することは重要である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
気管支肺胞洗浄液や血液など人の検体、並びに培養細胞の上清からエクソソームを分離解析およびその質の管理を行う方法は確立した。手術肺より得られた培養細胞を用いて、その上清中のエクソソームを分離し、miRNAを抽出し、マイクロアレイによる網羅的解析が可能であること、さらに細胞老化とエクソソーム中のmiRNAの関連性を明らかにした。2年間の進行は順調であると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、分離培養されたヒト由来のHBECにおいて老化と関連すると考えられるmiRNAのtransfectionを行い、同様のphenotypeが示されるか検討していく。さらにこれらのmiRNAを内包したexosomeが周囲のrecipient cellである線維芽細胞などに取り込まれ老化を誘導しているかを検討し、呼吸器老化疾患におけるexosomeおよびexosomalmiRNAが細胞間コミニュケーションにおける重要な役割を果たしている可能性を究明していく予定である。
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Research Products
(2 results)