2014 Fiscal Year Annual Research Report
よりin vivoに近いポドサイト培養系の確立をめざして-VEGFを中心に-
Project/Area Number |
24591190
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
矢尾板 永信 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (00157950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 豊 新潟大学, 医歯学系, 講師 (40182795)
武内 恒成 愛知医科大学, 医学部, 教授 (90206946)
山本 格 新潟大学, 医歯学系, 教授 (30092737)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ポドサイト / 培養 / 単離糸球体 / ネフリン / ポドシン / 細胞密度 / コラゲン / 胎仔牛血清 |
Outline of Annual Research Achievements |
ポドサイトを通常の条件下で培養すると、ポドサイト特異遺伝子の発現量は経時的に急激に低下する。ヘパリンを加えることによって、発現低下を抑制することができる。しかし、単離糸球体の発現量を指標にすると、単離糸球体の1/1000までに低下するネフリンの発現量が1/100になる程度であった。そのため、基本的な培養手技条件を見直した。 単離糸球体培養4日目に継代を行っていたものを3日目に変更した。細胞数は3割程度減少したが、ネフリンの発現量は4倍に増加した。継代で細胞を剥離する際トリプシンを使っていたが、代わりに非酵素性細胞剥離液(Sigma)の使用したところ、ネフリンの発現量はさらに4倍に増加した。これらの組み合わせによりネフリンの発現量は、単離糸球体の1/10程度まで上昇した。さらに、胎仔牛血清の濃度の低下または無添加、フィルター上での培養がネフリンの発現を有意に増加させることが分かった。細胞密度の影響を検討したところ、生体内のポドサイトの占有面積近くまで細胞密度を上げた方が発現量は多くなることが明らかになった。これらにより、ネフリンの発現量は、単離糸球体の発現量の1/4~1/2を示すようになった。次に、細胞外基質の影響を見ると、I型コラゲンのコーティングの量に依存して発現量は増加し、細胞の付着伸展を低下させるもののネフリンの発現量が単離糸球体レベルとなった。他のポドサイト特異遺伝子、ポドシン、ポドカリキシンもほぼ単離糸球体レベルを示した。単離糸球体は、ポドサイト以外にも内皮細胞、メサンギウム細胞も含まれるが、遺伝子の発現量の標準化に用いているGAPDHは培養によって2~3倍に増加することを考慮すると、ほぼ生体内のポドサイトの発現レベルになったと考えられた。以上のことから、遺伝子発現レベルでは、in vivoに近い培養条件が確立できた。
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Research Products
(7 results)