2012 Fiscal Year Research-status Report
腎糸球体上皮細胞におけるプロラクチン受容体の腎疾患における役割の解明
Project/Area Number |
24591191
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
金子 佳賢 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (80444157)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成田 一衛 新潟大学, 医歯学系, 教授 (20272817)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 腎炎モデル |
Research Abstract |
予備実験においてヒト腎糸球体上皮細胞にプロラクチン受容体が発現しており、且つその発現はヒト特異的でありげっ歯類では発現していないことはすでに確認されていたが、さらにその局在を同定するため、糸球体上皮細胞に特異的なマーカーであるポドカリキシンの特異抗体を用いてヒト腎組織に対し二重免疫染色を行い比較検討した。その結果ヒトプロラクチン受容体はポドカリキシンの局在とほぼ一致して発現していることが確認された。さらに正常腎および疾患腎での糸球体上皮細胞におけるプロラクチン受容体の発現をスクリーニングするため、腎生検組織に対して抗ヒトプロラクチン受容体特異抗体を用いて免疫染色を行った。その結果、正常腎および疾患腎ともにその発現に大きな違いは認められないことが確認された。 さらに腎糸球体上皮細胞におけるプロラクチン受容体の生体内での役割を解明するため、糸球体上皮細胞に特異的に発現するヒトポドシン遺伝子のプロモーターの下流にヒトプロラクチン受容体遺伝子を組み込んだDNAを作成し、B6C3F1マウス受精卵に遺伝子導入することにより、糸球体上皮細胞特異的ヒトプロラクチン受容体トランスジェニックマウスの作成に成功した。仔マウスの尾から採取したゲノム遺伝子を用いたPCR法にてヒトプロラクチン受容体遺伝子が組み込まれたトランスジェニックマウスが確認され、さらにトランスジェニックマウス腎組織切片の免疫染色にて、マウス腎糸球体上皮細胞特異的なヒトプロラクチン受容体の発現が確認された。今後はヒトプロラクチン投与下における生体内での反応や病的意義の検証により、糸球体上皮細胞におけるプロラクチン受容体の役割が解明されると期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トランスジェニックマウスの作成は平成25年度に予定していたが、すでに平成24年度内に樹立された。一方尿中ヒト可溶性プロラクチン受容体の定量的測定は平成24年度内には完了しなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
ヒトプロラクチン受容体トランスジェニックマウスのオスとC57BL/6のメスを自然交配させ、実験に必要な仔マウスを増やすとともに、正常状態および腎炎を人為的に発症させた状態でヒトプロラクチンを投与することによって、生体内にどのような影響が表れるかを検証する。また、トランスジェニックマウスの糸球体から上皮細胞を単離し、in vitroでのプロラクチン投与が上皮細胞に与える影響を検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
自然交配にて仔マウスを増やすため、C57BL/6マウスを購入する。
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