2013 Fiscal Year Research-status Report
第二のシスチン尿症関連輸送体の分子同定とその生理機能の解明
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24591198
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永森 收志 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90467572)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大垣 隆一 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20467525)
西園 啓文 富山大学, 学内共同利用施設等, 助教 (10502289)
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Keywords | トランスポーター / シスチン尿症 / 再構成系 / 機能共役 / 膜複合体 / プロテオミクス |
Research Abstract |
シスチン尿症(OMIM220100)は、腎近位尿細管のシスチン再吸収不全により生じる常染色体劣性の遺伝性疾患であり、rBAT(補助サブユニット)とb(0,+)AT(活性サブユニット)の二つのタンパク質からなるヘテロ二量体型シスチン輸送体の変異により発症するが、さらに未知のトランスポーターの関与が示唆されてきた。本研究は、b(0,+)ATと同じファミリーに属するトランスポーターSLC7A13が、長年不明であったrBATの第二の結合パートナーであり、尿細管シスチン再吸収に寄与するものであることを実証して、シスチン尿症の新規原因遺伝子候補を提示することを目的とした。平成25年度は、前年度に確立した精製タンパク質を用いたプロテオリポソーム再構成法を用いて、SLC7A13の基質選択性を輸送活性阻害試験によって解析した。さらに、SLC7A13の基質選択性とその輸送メカニズム解析とプロテオミクス解析の結果から、SLC7A13の生理的機能を明らかにする目的で、機能共役する他のアミノ酸トランスポーターを予測、同定を試みた。その結果、SLC7A13の基質の一部をナトリウム依存的に細胞内に取り込むアミノ酸トランスポーターとSLC7A13が尿細管S3分節において共局在していること、さらに2種のトランスポーターが近接して存在していることを明らかにした。これにより、S3分節においてSLC7A13が効率的にシスチン再吸収を行うメカニズムの一端が明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に引き続き、精製タンパク質を用いたプロテオリポソーム再構成法を用いることで、SLC7A13の詳細な輸送機能解析を行った。22種類のアミノ酸を用いた取り込み試験に加え、10種類のアミノ酸誘導体を用いた阻害実験を行うことにより、SLC7A13の基質認識についての情報が得られた。さらに、SLC7A13がナトリウム依存的グルタミン酸トランスポーターEAAC1/SLC1A1と近位尿細管S3分節において近接して共局在していることを示したことにより、アミノ酸輸送におけるアミノ酸トランスポーター同士の機能共役によりシスチンの再吸収が行われていることが強く示唆される結果を得た。これは、尿細管物質輸送生理学にシスチン輸送の新しい分子を加えただけでなく、別々の輸送体が機能的複合体を形成し機能共役することで、輸送機能を発揮しているという概念を実証する結果であると考える。この機能的複合体は、多数の輸送体タンパク質と足場タンパク質からなる超複合体の一部である可能性を示唆する予備的結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
グルタミン酸トランスポーターEAAC1/SLC1A1との機能共役が示唆されたことから、機能的複合体の存在が考えられ、さらに物理的な超膜複合体を形成している可能性が示唆される。実際、予備的な検討からSLC7A13及びrBATが、グルタミン酸トランスポーターEAAC1/SLC1A1とは異なる他のトランスポーターと複合体を形成している結果が得られている。したがって、その複合体の実在を明らかにし、尿細管における物質の再吸収機能が、個々のトランスポーターの機能だけではなく、それらの機能共役を必要としていることを明らかにする。再構成系による機能解析に加え、超複合体の共免疫沈降実験、プロテオミクス解析を用いることで機能的もしくは物理的複合体の実態を明らかにし、さらにその複合体におけるSLC7A13の役割を解明する。 また、既に予備的検討で検出されている超複合体の中に見られるトランスポーターは、トランスポーター単独で培養細胞で発現させた際には機能を発現しない、もしくは弱い機能を示す因子が含まれていた。SLC7A13もまた、同様にrBAT との共発現だけでは培養細胞で十分な発現及び活性を示さない。このことは、近位尿細管のトランスポーターの機能発現に広く必要な新規因子の存在を示唆しており、尿細管物質輸送生理学における重要な発見となる可能性がある。この新規因子についても、プロテオミクス解析によって実体解明を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究の進展により、当初予定していた動物を用いる実験よりもプロテオミクス解析や再構成実験を行ったため、動物施設使用料として計上していた一部が次年度使用額となった。 次年度においてもプロテオミクス解析や再構成実験を多く行う計画である。生じた次年度使用額高価なプロテオミクス試薬や質量分析計消耗品、界面活性剤の購入に使用する予定である。
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Research Products
(18 results)
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[Journal Article] Cyclosporin A and its analogs inhibit hepatitis B virus entry into cultured hepatocytes through targeting a membrane transporter, sodium taurocholate cotransporting polypeptide (NTCP).2014
Author(s)
Watashi K, Sluder A, Daito T, Matsunaga S, Ryo A, Nagamori S, Iwamoto M, Nakajima S, Tsukuda S, Borroto-Esoda K, Sugiyama M, Tanaka Y, Kanai Y, Kusuhara H, Mizokami M, Wakita T.
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Journal Title
Hepatology
Volume: Epub ahead of print
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Annexin A4-conferred platinum resistance is mediated by the copper transporter ATP7A.2014
Author(s)
Matsuzaki S, Enomoto T, Serada S, Yoshino K, Nagamori S, Morimoto A, Yokoyama T, Kim A, Kimura T, Ueda Y, Fujita M, Fujimoto M, Kanai Y, Kimura T, Naka T.
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Journal Title
Int J Cancer
Volume: Epub ahead of print
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Clinical significance of L-type amino acid transporter 1 expression as a prognostic marker and potential of new targeting therapy in biliary tract cancer.2014
Author(s)
Kaira K, Sunose Y, Ohshima Y, Ishioka NS, Arakawa K, Ogawa T, Sunaga N, Shimizu K, Tominaga H, Oriuchi N, Itoh H, Nagamori S, Kanai Y, Yamaguchi A, Segawa A, Ide M, Mori M, Oyama T, Takeyoshi I.
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Journal Title
BMC Cancer
Volume: Epub ahead of print
Pages: Epub
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] YY1 binds to α-synuclein 3'-flanking region SNP and stimulates antisense noncoding RNA expression.2013
Author(s)
Mizuta I, Takafuji K, Ando Y, Satake W, Kanagawa M, Kobayashi K, Nagamori S, Shinohara T, Ito C, Yamamoto M, Hattori N, Murata M, Kanai Y, Murayama S, Nakagawa M, Toda T.
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Journal Title
J Hum Genet
Volume: 58
Pages: 711-719
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Biological evaluation of 3-[(18)F]fluoro-α-methyl-D-tyrosine (D-[(18)F]FAMT) as a novel amino acid tracer for positron emission tomography.2013
Author(s)
Ohshima Y, Hanaoka H, Tominaga H, Kanai Y, Kaira K, Yamaguchi A, Nagamori S, Oriuchi N, Tsushima Y, Endo K, Ishioka NS.
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Journal Title
Ann Nucl Med
Volume: 27
Pages: 314-324
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] A novel cystine transporter in S3 segment of the renal proximal tubule is an “unknown-partner” of Slc3a1 (rBAT)2013
Author(s)
Shushi Nagamori, Pattama Wiriyasermkul, Meritxell Espino Guarch, Kazuhisa Okuyama, Saya Nakagomi, Kenijiro Tadagaki, Kazuaki Takafuji, Ryuichi Ohgaki, Manuel Palacín, Yoshikatsu Kanai
Organizer
2nd HDP international symposium on Multi-Level Systems Biology
Place of Presentation
Marunouchi, Tokyo
Year and Date
20130628-20130629
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