2014 Fiscal Year Annual Research Report
腎線維化における酸化ストレス依存的Wntシグナル伝達制御機構の解明
Project/Area Number |
24591220
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
佐藤 稔 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (70449891)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柏原 直樹 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10233701)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 線維化 / Wnt / 酸化ストレス / 細胞周期 / G2/M |
Outline of Annual Research Achievements |
腎線維化は進行性腎障害の重要な予後規程因子である。近年、尿細管上皮細胞のG2/M期での細胞周期停止が腎線維化進行に関連していることが明らかとなった。酸化ストレス条件下では、G2/M期の細胞周期停止に転写因子FOXOが関与する。FOXOは酸化ストレスの亢進によりWntシグナル下流の伝達蛋白であるβ-cateninと複合体を形成する。Wnt/β-catenin経路活性化は腎臓の発生段階だけでなく、腎障害の進展にも関与している。「酸化ストレス増加によるFOXO/β-catenin複合体形成増加が線維形成性サイトカイン分泌を増加させる」との仮説を立て、検証した。ヒト培養尿細管上皮細胞を、活性酸素 (100 μM過酸化水素) 存在下でWnt3a (50 ng/ml) の刺激を行った。活性酸素存在下ではWnt刺激により、FOXO3a/β-catenin複合体形成が増加した。通常Wnt3a刺激で活性化するTCF転写活性は、活性酸素存在下で低下し、Wnt3a刺激単独では活性化しないFOXO転写活性は、活性酸素存在下で増加した。また、GADD45、cyclin G2などG2/M期細胞特有の遺伝子発現が酸化ストレス下では増加し、G2/M期細胞の比率も増加していた。このG2/M期細胞ではTGF-βの発現、CTGFの発現が増加していた。酸化ストレス亢進によるJNK活性化がFOXO/β-catenin複合体形成を増加させ、G2/M期細胞の遺伝子発現増加に寄与していた。酸化ストレスは細胞のG2/M期での細胞周期停止と引き続く線維形成性サイトカイン分泌を増加させる。酸化ストレスの軽減が腎の線維化を軽減させる可能性がある。
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