2012 Fiscal Year Research-status Report
メタボリックシンドロームにおける昇圧機序:中枢性交感神経亢進の原因究明
Project/Area Number |
24591226
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 恵 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (50447405)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 高血圧 / メタボリックシンドローム / 交感神経活動 / ミネラロコルチコイド受容体 / 酸化ストレス |
Research Abstract |
「後天的メタボリックシンドロームラット(高脂肪食負荷Sprague-Dawley rat)における脳内アルドステロン・ミネラロコルチコイド受容体(MR)の役割についての検討」 4週齢Sprague-Dawley ratに6週間、45%高脂肪食を負荷した後天的メタボリックシンドロームモデルラットを用いて検討を行った。高脂肪食負荷と同時に脳室内に慢性的にアルドステロン合成阻害薬FAD286を投与した群、高脂肪食負荷と同時に脳室内に慢性的にMR拮抗薬eplerenoneを投与した群、の各々を、高脂肪食負荷と同時に脳室内に慢性的に人工脳脊髄液を投与した群(vehicle群)と比較検討した。視床下部のアルドステロン・コルチコステロン含有量については、ELISA法、RIA法にて測定を行い、一部結果を得ているが、現在進行中である。視床下部におけるMR活性について、real-time RT-PCR法により、下流因子(Sgk-1, PAI-1)の発現量を評価したところ、後天的メタボリックシンドロームラットでは有意に増加していることが判明し、脳内MR活性亢進が確かめられた。Eplerenone, FAD286の脳室内投与により、血圧の有意な低下(テイルカフ法による収縮期血圧および観血的測定による平均血圧)、全身の交感神経活性抑制(尿中ノルエピネフリン排泄量、神経節遮断薬ヘキサメソニウム静脈投与による血圧低下反応)、脳内酸化ストレスの有意な抑制(抗酸化薬tempolの脳室内急性投与に対する腎交感神経活動および血圧の低下反応、ルシジェニン化学蛍光発光法によるsuperoxide産生量)が認められた。 【意義・重要性】後天的メタボリックシンドロームラットにおいて、脳内アルドステロン-MRの活性化が、脳内酸化ストレスを介した中枢性交感神経活動亢進を引き起こしている可能性が確かめられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
後天的メタボリックシンドロームラットにおける、脳内アルドステロン、ミネラロコルチコイド受容体の役割について、脳内酸化ストレスを介した中枢性交感神経活動亢進を引き起こしている可能性を、生理実験、生化学実験の結果から、明確に示すことができ、その結果の一部を国際高血圧学会等で報告することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
脳内アルドステロン濃度、コルチコステロン濃度のELISAやRIA法による測定を現在進行中であり、近々結論を出したい。さらに、アルドステロン合成酵素であるCYP11B2、コルチコステロン合成酵素であるCYP11B1の発現量の検討も、real-time RTPCR法やWestern blot法により検討予定であり、脳内におけるアルドステロン-MRの役割における、より詳細なメカニズムを解明することを目指したい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(17 results)