2015 Fiscal Year Annual Research Report
メタボリックシンドロームにおける昇圧機序:中枢性交感神経亢進の原因究明
Project/Area Number |
24591226
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 恵 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50447405)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高血圧 / メタボリックシンドローム / 交感神経活動 / ミネラロコルチコイド受容体 / 酸化ストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
動脈硬化性疾患リスクとして意義の大きい肥満およびメタボリックシンドロームにおいては血圧の食塩感受性が亢進することが知られており、食塩摂取量の多い我が国ではその対策が重要である。さらに、肥満高血圧と食塩感受性高血圧との間に共通のメカニズムが存在する可能性が示唆されている。我々は食塩感受性高血圧(Hypertension 2012)および肥満高血圧モデル動物(Circulation 2009)を用いた研究で「脳内酸化ストレス増大による中枢性交感神経活動亢進」が血圧上昇に関与している可能性を報告してきた。そこで、脳内酸化ストレス増大による交感神経亢進の上流に存在する因子として、脳内ミネラロコルチコイド受容体(MR)活性化が関与している可能性を考え検討した。後天性肥満モデル(高脂肪食負荷Sprague-Dawleyラット)、食塩感受性モデル(高食塩食負荷Dahl食塩感受性ラット)、メタボリックシンドローム(Dahl-S.Z-Lepr(fa)/Lepr(fa))において、MR下流因子であるSgk1の脳視床下部におけるmRNA発現量は、各々の対照群に比し亢進しており脳内におけるMR活性化が示唆された。さらにMR blockerエプレレノンの慢性脳室内投与により、脳内酸化ストレス低下、交感神経抑制、降圧効果が認められた。脳内アルドステロン濃度、コルチコステロン濃度の上昇も認められ、MR活性化にリガンドとして関与している可能性も考えられた。すなわち、メタボリックシンドロームにおいて、肥満および食塩が脳内アルドステロンもしくはコルチコステロンをリガンドとするMR活性化による酸化ストレス増大に基づく中枢性交感神経亢進を介して昇圧をもたらしている可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)