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2013 Fiscal Year Research-status Report

慢性腎臓病の血管合併症における細胞接着斑蛋白HICー5の機能解析

Research Project

Project/Area Number 24591241
Research InstitutionShowa University

Principal Investigator

本田 浩一  昭和大学, 医学部, 准教授 (70297000)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 宮崎 章  昭和大学, 医学部, 教授 (70253721)
KeywordsHIC-5 / 平滑筋細胞 / 石灰化 / 形質転換
Research Abstract

慢性腎臓病(CKD)患者の予後は心血管病変(CVD)の合併と密接に関連するため、その病態を探求することはどう患者予後向上の上で必須の検討事項である。本研究課題では、腎不全環境において高頻度に認められる過形成性内膜肥厚、石灰化プラーク病変の発症・進展過程における細胞接着斑蛋白質hydrogen peroxide-inducible clone-5(Hic-5)の役割に焦点を絞り、検討することである。
平成24年度の検討は血液透析患者および腎機能正常患者から得られた剖検病理標本から頸動脈、大動脈壁を採取し、HIC-5の局在の検討を行った。血管壁を抗HIC-5抗体およびαSM-actin抗体で染色して平滑筋細胞とHIC-5の関係を検討したところ、血液透析患者では中膜平滑筋細胞が減少するが、平滑筋細胞壁に偏在する形でHIC-5の発現が増強する結果であった。
平成25年度は糖尿病合併例や動脈硬化の進展した剖検組織標本を増やし、HIC-5と血管平滑筋細胞との関係についての検討を深めた。透析患者の血管中膜平滑筋細胞内のHIC-5発現にくらべ、動脈硬化性病変を有する患者の血管中膜平滑筋細胞内HIC-5発現の程度は弱いが、血管内膜層の動脈硬化病変内に遊走した平滑筋細胞内HIC-5の発現は有意であることが確認された。現在、透析患者の血管中膜平滑筋細胞内のHIC-5発現と平滑筋細胞の骨芽細胞様細胞への形質転換との関係、冠動脈梗塞層における平滑筋細胞内HIC-5発現について検討を進めている。また、ヒト平滑筋細胞培養系においてHIC-5の発現と細胞の石灰化、骨芽細胞様細胞への形質転換との関係について、kossa 染色やPCR法などで検討を行った。リン負荷モデルで石灰化・形質転換を誘導し、HIC-5の発現経過を観察したところ、HIC-5の発現が亢進する結果であった。現在、炎症や酸化ストレス環境でのHIC-5の発現と石灰化・形質転換との関係、HIC-5をノックダウンさせた環境での平滑筋細胞の石灰化・形質転換への影響を検討中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

初年度の剖検症例での検討から対象剖検数を増やして検討を行う必要性が生じたため、平成25年度も病理組織標本を用いた検討を行った。また、動物モデルを用いた実験に先行して細胞培養系の実験を実施し、平滑筋細胞の石灰化や形質転換の機序におけるHIC-5の関連について検討したため、当初の予定よりも進捗が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

今後の推進方策
剖検組織標本から得られた結果より、HIC-5が動脈硬化性病変や血管石灰化病変の形成に関与している可能性が考えられ、細胞培養結果からも、血管石灰化(平滑筋細胞の形質転換)等の発現に関連することが推測される。腎機能正常患者、糖尿病患者、腎不全患者における動脈硬化病変や血管石灰化病変の形成と血管平滑筋細胞、HIC-5発現との関係を明らかにするために、今後も剖検症例数を増やす予定である。また、培養実験系を継続し、平滑筋細胞の石灰化や形質転換機序におけるHIC-5の役割について、その詳細を検討する。動物実験系はそれらの結果を踏まえて開始の予定である。
本年度はこれまでの研究成果を当該学会で報告し、また、論文化を進める予定である。

URL: 

Published: 2015-05-28  

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